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POG押しつけの愚──競馬マスコミに蔓延する勘違い

 友人の話で最もつまらないものに「こども自慢」がある。本人は嬉々として話しているが聞いているこちらには不興甚だしい。スポーツ万能でも勉強抜群でも、とにかくつまらない。さいわい親しい友人にはいないので助かるが、過去なんどかそんな目に遭っている。かといってさすがに「おまえのこども自慢なんか聞きたくないから黙れ」とも言えないし、あれはほんとにいやだ。


 これと同じ事に「POG(ペーパー・オーナー・ゲーム)持ち馬の自慢」がある。これは「こども自慢」よりもっとひどい。こどもはまだ自慢しているひとが作ったものだから自慢にも根拠があるが、これは他人の持ち馬をかってに自分のものにしているだけだ。架空の話。勘違い。いわば「他人のこども自慢」。醜悪である。



 


 POGが急速に普及してきた90年代末期、競馬雑紙でそれを批判したのは私とかなざわいっせいさんだけだった。論調の基本は同じで「他人の持ち馬を自分のものだと思いこむなんてつまらない。馬は馬主のもの」だった。

 すぐに攻撃を受けた。POGに関する本を出版して生活の糧にしているライターからだ。それはそれは激しいものだった。
 彼の理屈は、「POGをやると、血統の勉強をするようになる。それは競馬に関する知識を増やし、本来の競馬ファンとして競馬を楽しむためにもプラスの効果がある」というものだった。
 私とかなざわさんが言っているのは「かっこわるい」ということであるから、この反論は意味を持たない。勉強になるとか競馬知識がなんて観点ではないのだ。
 いやそれ以前に「むきになって反論する」という時点でひとつの答になっている。



 POGは仲間内で金をやりとりする博奕である。他人になにを言われようと平然と遊んでいればいい。非合法なのだから、ひっそりとやるべきだ。
 それを「血統の勉強にもなるし」といかにも正論めいたことを押し立てて反論してくる時点で、彼らの中の劣等感が見えている。

 そりゃ誰だって「おれの馬がダービーを勝ってね」と言うとき、POG指名馬より本物の馬主であることの方がうれしいだろう。ましてそれがシャダイや金子さんのかっこいい馬名ならまだ様になるが、アドマイヤやフサイチだったりしたらバカ丸出しである。代償行為であるみっともなさは本人達がわかっている。だからこそ即座に顔を真っ赤にして反論してくるのだろう。



 と、ここに書きたいのはPOGファンとやりあうことではないので本論に進む。

 競馬レースで、自分の応援する馬と友人の応援する馬のどっちが先に来るかを賭ける。結果、ブービーとビリでもライバルにさえ勝てばうれしい。優勝馬などそっちのけだ。これがアトサキ。私もむかしはけっこうやった。小博奕は楽しい。

 私はPOGという小博奕を認める。楽しいだろうと思う。ケチをつける気はない。文句を言いたいのはそのありかただ。つまり、「表だって話題にすべきことではない」と思うのだ。ましてそれを「是」として、嫌う人を許さないなんてのは言語道断である。



 ここのところうんざりしているのはサンスポの記者コラムだ。
 平然と「昨日勝った××は昨年のPOGで真っ先に指名した馬でした」「ダービーの本命馬はもちろん××。POGの持ち馬です。負けるわけには行きません」等、複数の記者が、予想コラムに自分のPOG馬の話題を出している。それどころか本命にする根拠すらそれを理由にしたりしている。

 あきらかにこれはおかしな傾向だろう。前記の「こども自慢」じゃないが、「おまえのPOGの指名馬なんて関係ねーよ」と新聞に向かって毒づきたくなる。まあ私の場合、こういう記者の印を見て馬券を買うことはないのでどうでもいいのだが。


 若い記者が多い。ダビスタやPOG本の影響で学生時代からPOGを日常にしてきた競馬ファンがそのまま記者になったのだろう。
 私の知り合いの競馬記者や編輯者もみなPOGをやっているが(元々POGはそこから始まったものだ)彼らがそんな自慢をするのを聞いたことがない。さすがに一線を引いている。それがおとなの嗜みである。

 言葉を換えると、節度のないガキンチョがPOGというおもちゃにはしゃいで、公共の場で騒いでいる、とも言える。誰かおとなが「静かにしなさい」と注意せねばならない。



 先週日曜のサンスポでは、スズキヨシコさんが、皐月賞馬のキャプテントゥーレは自分のPOG馬で、去年も今年もPOGが絶好調なのだが、じつはユキチャンも自分の馬なのだと自慢していた。いくつになってもそういうふうに軽いから、あのひとはこの業界で生き残れたのだろう。おばちゃんがメイド喫茶のコスプレをしているようで、読んでいて恥ずかしくなった。


 サンスポの姿勢には、たぶんに「POGが商売ジャンルになったから」というのもあろう。POG用の出版物というのをいくつか見かけた。そんな需要があるらしい。サンスポの出した「ディープインパクトのこどもの写真集」もまた、それらを意識したものなのだろう。


※ ※


 ひとつ不思議なのは、JRAが黙っていることである。ノミ屋に関しては競馬法で罰せられるとあんなにうるさいのに(笑)。


 POGは非合法の博奕である。健全な趣味ではない。仲間内で金を賭け、やりとりしている。
 長年やっている知人に聞くと、彼のグループでは、「まったく勝ち馬のでなかったひとの出費は50万以上。オークス馬、ダービー馬等を指名したひとの儲けは100万以上」だとか。

 けっこうな金額である。払えず夜逃げして、みんなと絶交というひともいるそうだ。和やかな話題ではない。そりゃたしかにメンバの持ち馬がGⅠを次々と制覇し、毎月の清算が10万以上になったら払えないひとも出てこよう。


 そしてこの知人に顕著なのだが、POGに夢中のひとは、すべての競馬の基本がPOGになってしまっている。私はこれがPOGの最大の問題点だと思う。
 競馬場で会っても、開口一番「さっき勝った馬は去年のおれのPOG馬なんだ。買えばよかった」「今度のレースの1番人気は××の指名馬なんだ。だから買わない(買う)」と、そんなことばかり言っている。その視点でのみ競馬を見ている。しみじみくだらんひとだと思う。


 この人の競馬に関する出費でいちばん多いのはPOGの清算金額である。東京でのPOG馬指名大会や、メンバーが集う毎月の精算日には田舎から出てきてホテル泊まりになる。それだけでもたいへんだ。馬券はほとんど買わない。「そんなもの買ってる餘裕ないよ」だとか。そんなひとが増えている。
 JRAはノミ屋以上に気にすべき問題のように思えるが(笑)。


※ ※ ※


 ただ、この知人は、それ以前につまらないひとである。POGのことばかり言っているからつまらないひとなのではなく、何を話してもつまらないひとなのだ。だから競馬もPOGなのだろう。
 という解釈が出来る。さいわいにして、すべてが満点なのだがPOG狂いの点だけが納得できない、というひとはいない。完璧にいない。これは大きな強い事実だ。


 この知人にとって、競馬に於ける最大の目的は「参加しているPOGグループとの交遊」である。競馬は交際術のようだ。
 うんざりするのは、自分がそういうひとであるから、「あんたも、特別に紹介して、おれたちのPOGグループ(そこそこ有名人がいるらしい)に入れてあげてもいいよ」のような言いかたをすることだ。誰がそんなものはいるかい。宗教に狂っている人間がそうであるように、このひともこの世にPOGを嫌いな競馬ファンがいることが理解できないらしい。



 結論として。
 遊びは楽しい。好きな人は好きなだけPOGを愉しめばいい。
 だけどそれはそのひとだけのものだ。無関係なこちらにまで押しつけないでほしい。まして本職がコラムで自分の指名馬の自慢をするなんてのは論外である。


 共同馬主はちがう。金を出している。実質的なオーナーだ。だから馬自慢も理解できるし、親しい友人のもっている馬は応援したりする。今年は友人のK君がポルトフィーノの馬主だっただけにリタイアは残念だった。


「キャプテントゥーレ、ぼくの馬なんですよ」と言われれば、「おめでとう」と言う。社台RHで一口もっているのだと思う。それがPOGだと知ったときの白け。
 くだらん時代である。


 


 

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