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平成19年のダービー──ウオッカの思い出──なぜか忘れていた皇太子殿下ご夫妻のご来賓

あのダービーのパドック。
ウオッカのたたずまいはすばらしかった。
私は報道陣席の最前列で見ていた。
圧倒的な存在感だった。
全馬の中でいちばん輝いていた。 
大好きなウオッカを初めて生で見た日だった。



私はウオッカが好きだった。 
デビュー戦の勝ちかたがよかった。黄菊戦の負け方も強かった。
阪神JFのパドックを見てますます好きになった。

そのとき中山競馬場にいた。負け続けていた。オケラ寸前だった。
ところが前売りで買っておいたJFの「ウオッカ1着固定3連単」が的中した。4番人気だったこともあり、2,3着は1、2番人気だったが、3連単は142倍ついた。
それで息を吹きかえし、中山最終を当て、プラスで帰宅できた。感謝した。

エルフィンステークスもチューリップ賞も桜花賞も当てた。みな配当は低いが。
相性のいい馬だった。女神だった。



しかしダービー。
64年ぶりの牝馬の優勝はあるのか。
目の前を周回する神々しいばかりの仕上がりのウオッカを見ても、私は踏みこめなかった。

パドックの中では、1番人気の馬の、品のない馬主が、品のない派手な服を着て、品のないボクサー一家と、これみよがしにしゃべっていた。

右隣にいたテレビ局勤務のTさんが、それを見ながら、「あんなのに勝たれるなら牝馬のウオッカでも勝ってくれたほうがいいな」と、つぶやいた。みょうに記憶に残っているシーンである。

その馬主は、もう勝ったも同然と自信満々だった。私もTさんも、それを苦々しく思いつつも、勝つのはその馬だろうと認めていた。

左隣にいた〝馬券生活者〟のKさんが、「あの馬はすごいよ。おれが見てきた馬の中でも三本の指に入る」と言った。(後の成績を考えるとKさんの相馬眼には疑問をいだかざるを得ない。あとの二本指は何なのだろう。)
私は、「ジャングルポケットの仔なのに、なんであんな体形なんでしょうね」と前々から思っていることをKさんに問うてみた。ウオッカを見るのは初めてだが、この馬は2歳の時から見ている。関西馬でアンカツ騎乗なのに、デビュー戦からして東京だった。
その成績から、強い馬とは認めざるを得ないが、どうにも好きになれない馬体だった。しなやかさがない。
Kさんが、「うん、それは不思議だな」と応えた。

デビュー戦が府中、2戦目も府中で重賞東京スポーツ杯を勝つ。その時点でもうダービーはこれだろうと思っていた。3戦目はラジオNIKKEI杯。ここも勝ち、またも東京で共同通信杯を勝って4戦全勝。東京は3戦全勝。関西馬なんて、このダービーが初めての府中がふつうなのに。
前哨戦の皐月賞は3着。一番強い競馬をしていた。2番人気だったが、それは誰もが「この馬が勝つのはダービー」と思っていたからだろう。まるでダービーを勝つために生まれてきたような馬だった。勝つのはこれだろう。



私はウオッカの単勝を買わなかった。買えなかった。
あれほどの、神々しいまでの光を放っている大好きな馬を応援できなかった。

断然人気のその馬を1着固定した馬券で勝負した。
品のない馬主も品のないボクサーも好きではないが、馬券は別。当てねばならない。
2歳時から「来年のダービーはこれ」と思って来た馬でもある。

最後に義理で、ウオッカを1着に固定した3連単を100円単位で買った。
ウオッカが銭湯に躍りでたとき、(なんちゅう誤変換だATOK!)
ウオッカが先頭に躍りでたとき、声を出した。「勝て!」と。

もしかしたら馬券も当たるかもと淡い期待を抱いたが、2着にNHKマイルカップを大敗した人気薄のアサクサキングスが来るとは思わない。それこそ「出ているのを忘れていた馬」だ。秋には菊花賞馬になるのだが……。
当然ハズレ。

3連単は200万馬券だった。

馬券はハズれたけど、あの馬主とボクサー一家の口取りは見たくなかったから、これでいいんだと思った。
あれだけの圧倒的存在感を放っていたウオッカの単勝を買えない自分を恥じた。

そのことが負い目となったのか、それから宝塚記念、秋華賞、ジャパンカップ、有馬記念、京都記念とウオッカを本命にして負け続け、かつての儲けの何倍もの損失をこうむる。「あのダービーで燃えつきたんだ。あれが生涯最高に輝いた瞬間だったんだ」と追うのをやめたらまた勝ち始め、歴史に残る名牝になった。しかし私が頭に固定したJCと天皇賞では3着だった。結論としては馬券の相性はわるかったのか? ん? ウオッカ馬券の収支が大マイナスであることはまちがいない。


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そんなことを、なぜ今ごろ書いているかというと……。

今年の天覧競馬のことを書き、なつかしくなって松永の天皇賞の映像をYouTubeで見ていたら、そこに「3連単100万馬券か。皇室のひとが来ると荒れるな。ウオッカのダービーも荒れたし」という書きこみがあったのである。

「ウオッカのダービー」……。
「皇室のひと」……。



やっと思い出した。確認する。やっぱりそうだ。
そうか、あのダービーには、皇太子殿下ご夫妻が来場なさっていたのか。
皇太子妃殿下の来場から「牝馬」を読むべきだった。思いつくはずだった。

妃殿下来場を祝って、ただ1頭の牝馬の優勝。
2着にアサクサキングス、3着にアドマイヤオーラ。思えば簡単だ。だけど……。

平成17年の天皇賞では、
皇后陛下のご来場からすぐにそれに思い至ったのに、思い至りつつハズしたことを悔やんでいたのに、そのときはまったく浮かばなかった。本来なら平成17年の天覧競馬で100万円馬券を取りそこなったことを糧にウオッカ中心の馬券を組むところだ。2着がむずかしいから馬券の結果はともかく、妃殿下来場とウオッカを結びつけ、そんな発想をしていなければならない。

ところがパドックでのTさん、Kさんのとのやりとりや、パドック内にいた馬主、ボクサー一家のことなど、どうでもいい細かいことを覚えているのに、その大事なことを覚えていない。
それどころか私の中で、それは失われた記憶だった。お二人がご来場なさったことすら忘れていた。
同じ競馬場にいたというのに……。



かほどに敬愛の念に差がある自分におどろいた。
かたやお姿を拝見しただけで涙ぐむほどお慕いし、かたやご来場なさったことすら忘れている。
それを備忘録として書いておこうと思った。という次第。


嫁を外すと一家はがたがたになる。
一般家庭のそれが特別な御一家にも当て嵌まった。その意味ではたしかに「日本の象徴」ではある……。 
こんなはずじゃなかった……。
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