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スリーロールス菊花賞優勝3──武牧場の栄光

  フレッシュボイスの小笠原牧場の跡取りが自裁した。真歌山の厩舎で首を吊った。数年後、静内駅近くに居を構える名門(そういうところに家があることからも古い入植であることがわかる)小笠原牧場は倒産し離散した。二十世紀の話だ。

2003年、武牧場の主、武勇さんが撲殺されるという怪事件が起きる。武豊騎手の親戚ということからも話題になった。現場が自宅ということから様々な推測がなされた。犯人はわからなかった。

私はその後の武牧場を知らない。当主が亡くなったあと存続しているかさえ知らなかった。

22年前、私が訪れたころ、武牧場にはひとり息子がいた。当時高校生だったからいまは不惑目前になる。父や叔父と同じ麻布獣医大への進学はせず進路に迷っていた。というか正確に書いておくと、日高の地元の高校から名のある大学への進学は難しく、エリート教育を志した牧場主はみな息子を中学から札幌に行かせていた。千葉からの入植者は跡取りを千葉で育てた。地元の静内高校、浦河高校のレヴェルでは東京への進学は難しいらしい。自裁した小笠原牧場の跡取りもそうだった。中学から札幌に出て、マンションを借り、祖母が身のまわりの世話をして麻布獣医大合格への道を歩んだのだった。そういう例を多々知っている。地元の高校に進むということはすでに名のある大学への進学を断念していることだった。


武牧場を調べてみた。代表は未亡人の武栄子さんになっている。ひとり息子ももう四十になるから、まともなら代表になっているだろう。ということは当時から都会に出たがっていたから牧場は継がなかったのか。それとも代表は母のままにして、静内の牧場でがんばっているのか。武勇さんの変死事件は解決されたのだろうか。犯人は捕まったのか。インターネットで調べる限り未解決のままである。





今回の菊花賞優勝の最も大きな鍵は「繁殖牝馬スリーローマン」だ。スズカやスリー、サン、ミスズの冠号で有名な馬主・永井さんがなぜかスリーローマンを武牧場に預けていた。そのことによって武牧場は「菊花賞馬の生産牧場」という栄誉を手にした。もちろんスリーローマンは武牧場の生産馬ではない。おそらくダンスインザダークをつける支持も永井オーナーから出たのだろう。

現在の武牧場生産馬の出走状況を調べるとみな地方競馬である。いかに中央のクラシックを勝ったスリーロールスが武牧場生産馬として異色であることか。

かつて武牧場は際立った活躍馬はいないもののコンスタントに中央に馬を送りこんでいた。現況を見ると、生産頭数も活躍状況も当時とは比ぶべくもないようだ。そこに突如登場したクラシックホース。劇的である。そこにはどんなドラマがあったのだろう。ただ残念ながら、主を亡くした武牧場が、高額な名牝を購入し、乾坤一擲の大勝負を挑んだことによる成果、というようなドラマではないようだ。あくまでも主役は永井一族でありスリーローマンになる。それでもあの事件から意気消沈していたであろう武牧場のみなさんにひさびさの朗報であることは間違いない。菊花賞馬生産牧場なのだ。競馬はこんな形で光をくれる。なんともうれしい出来事だった。





現在の武牧場生産馬の近況。スリーロールス以外はみな地方競馬である



いくつかの疑問は近々『Gallop』の「菊花賞馬の故郷」が教えてくれるだろう。月後れになるが『優駿』はより詳しく書いてくれるはずだ。ふだんは読んでないけど今回ばかりは楽しみに待ちたい。


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ここのところ遺品整理の感覚で身のまわりの整理をしている。すると当時の小笠原牧場、武牧場の様子、武勇さんの写真、奥さんの栄子さんの写真等、あれこれ出て来た。あまりマスコミの前に出ないみなさんであるし、さらには22年前のものであるからより貴重と思う。ここに掲載して独自性を出したい気持ちもすこしだけあった。だが許可を得ることなく掲載するのは無礼と判断し自粛する。

小笠原牧場の放牧地であった真歌山はいま、ビッグレッドファーム(ラフィアン)のものになっている。あのころビッグレッドファームの岡田さんは新興勢力だった。放牧地も狭かった。ガソリン代がもったいないとディーゼル車で走っていた時代である。いまやビッグレッドファームと言ったらたいへんなものである。時の流れを感じる。
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