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スマートファルコンという生きかた──浦和記念感想

 スマートファルコンは中央競馬所属馬なのになぜ中央で走らないのだろう。地方で走って稼ぐことに異を唱えるつもりはない。交流競走への出走も大事だ。せっかくのそういう制度なのだから。だがここまで強さを証明したなら、今度は古巣での、本家での闘いが主ではないのか。

どうしようもない駄馬が突然変異したのならともかく、クラシック直前まで4戦3勝2着1回の期待される駿馬だった。クラシック戦線で3戦大敗しダート路線に変更した。それが成功し、以来12戦10勝2着2回のパーフェクトな成績。交流重賞を勝ちまくり6億を稼いだ。すばらしい馬主孝行、調教師孝行、厩務員孝行の馬である。それが「スマートファルコンという生きかた」。



成績表はnet.keibaより

なぜ中央に凱旋しないのだろう。どんなに地方では強くても中央では通用しないのか。たしかにブリーダーズゴールドで負けたマコトスパルビエロは中央のダート戦線では関脇クラスの脇役。それに負けるということは横綱大関クラスには通用しないのか。陣営はそれがわかっているから出て来ないのか。

1年半前のジャパンダートダービーで負けたのは同い年のサクセスブロッケン。単勝3番人気の2着だったが、1番人気のサクセスブロッケンは1.2倍。スマートファルコンは15.5倍だった。しかしそれからの精進で、今ならサクセスブロッケンにも負けない! とはならないのか。

二度目の敗戦はJBCスプリント。勝ったのはバンブーエール。このときの断然人気はブルーコンコルド。2番人気がバンブーエール。スマートファルコンは3番人気だった。8歳馬のブルーコンコルドには先着したがバンブーエールには完敗している。バンブーエールも、精一杯贔屓目に見てもせいぜい弱い大関ぐらいだろう。その後のマコトスパルビエロでもわかるように、弱い相手にどんなに勝ち星を積みかさねても、しょせんスマートファルコンは小結クラスの馬なのか。



スマートファルコンの生きかたは彼のものであり(いや彼に意思はなく、正しくは関係者という人間のものですけどね)誰も口は出せない。ただ私はこういう生きかたは必ず破綻をきたすときが来て、それは彼にとってショックなのではないかと心配していた。それが今日やって来た。浦和記念。昨年は楽勝しているレース。



単勝は昨年の1.6倍よりさらに下がって1.4倍。しかし7着に大敗した。3連単は19万馬券。敗因は、逃げの手に出たところにエイシンモアオバーに絡まれたから、とかいくらでもあげられよう。実際勝ったブルーラッドは戸崎の好騎乗もあり立派だったが、2着のルースリンドは後方待機が功を奏したようなものだ。もちろん前が速くなると石崎が読んでの結果ならそれを讃えねばならない。

先行してがんばったテスタマッタは3着だったし、スマートファルコンに競り掛けたエーシンモアオバーもスマートファルコンより先着している。真に強い馬ならエーシンモアオバーを競り潰し、展開の綾から前の2頭には負けたとしても、テスタマッタと3着争いをしていなければならない。それが7着。横綱大関の器ではないことがもろに出たレースなのか。





スマートファルコンのような生きかたをしていたら、いつかこんな日が、こんな形で来ると思っていた。といってそれを意地悪に楽しみに待っていたのではない。「スマートファルコン的生きかた」ではそうなるのではないかと心配していたのだ。

この敗戦を機に、たとえ横綱大関に歯が立たなくても、中央を主戦にして欲しいと願うのだが、それもまたないのだろう。



一度落ちてしまったブエナビスタの運気が気になるように、昨年春からひたすら地方を走り続け、完璧な成績を残し、そして今日ついに頓挫したスマートファルコンの今後がどうなるか気になる。
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縦組に戻っていた『Gallop』──縦書き横書き考

 コンビニで手にした『Gallop』が縦書きに戻っていた。年に数回買うか買わないかぐらいなので意見を言う資格はないのだが、よいことだと思う。ほっとしている。
横書き文章と縦組枠順という形になってからは立ち読みすらしなくなっていた。そういえばホームページ用に目出度い文章を書くときに入れる「祝」ってのが作ってあった。せっかくだから入れておこう。

←最新号の表紙

横書きになっていちばん迷惑を蒙ったのは吉川良さんの文章だったように思う。ああいう情のある文章は横組にされると魅力が半減すると知った。
以前「チャーミーグリーンを使うと手を繋ぎたくなる」という台所用洗剤のテレビCMがあり、若者風のカラフルな衣裳に身を包んだ老夫婦が仲よく手を繋ぎ、音楽に併せてスキップしていた。当時結婚式で配られる新郎新婦からの挨拶パンフには「私達もチャーミーグリーンのCMのような夫婦になりたいと思います」と入れるのが流行ったとか。

私はあのCMが大嫌いだった。まず老夫婦のステップは音楽のリズムと合ってなかった(笑)。ひどくずれていた。何度も撮りなおしをして比較的あっているものを使ってあの程度だから現場はひどかったことだろう。8ビートに乗れない盆踊り育ちの年寄りを無理矢理踊らせる一種の老人虐待である。カラフルな衣裳も笑顔で見つめあったりするのもわざとらしく、無理矢理特攻服や学生服を着させられた「なめ猫」を思い出した。西洋風の齢を取ってもスキンシップをする夫婦、齢を取っても臆することなく流行りの服を着る老人、そういう制作者側の感覚を是として押しつけた醜悪なCMだった。年寄りだから灰色の服を着て縁側で渋茶をすすっていろと言うつもりはない。切り口の問題である。ああいうCMを「ほのぼのとしていていいCMだ」と思うひととは何を話しても意見は合わない。あのCM制作者の薄っぺらな感覚を見ぬけないひとは明き盲だ。
横組の『Gallop』に載る吉川さんの、毎度お馴染みの「死んでしまった競馬ファンのホロリとする話」を読んでも、チャーミーグリーンのCMのようにしっくりこなかった。縦組に戻ってよかった。これでまた立ち読みできる。
シャッター商店街が続く私の田舎で唯一繁盛しているのが「斎場」だ。乱立している。これは全国的な傾向だろう。なにしろお客さまと予約お客さまが途切れることなくいる。同様に、吉川さんの「死んでしまった競馬ファンのホロっとする話」も尽きることがない。楽しみだ。死と競馬はみょうに似合う。


吉川さんは熱心に取材して書いているので実話なのは知っているのだが、世の中にはあんなに「苗字(名前、誕生日、ニックネーム)が同じだから」というような理由で特定の馬や騎手、調教師を応援したりするひとがいるんだろうか。そういうことをしたことがないので不思議でならない。あるいは「今日は親父の×回忌だから、親父の誕生日と×回忌の×を組み合わせた馬券をこどもたちみんなで金を出しあって買おう」というような遊び馬券。あんなことをするひとがいるのだろうか。これまた吉川さん御自身が現実にやっているのを知っているからまごうことなく事実である。そういうことをしない自分をつまらないヤツだと思う。それもまた競馬の大切なあそびのひとつだ。真剣に検討してハズれ、誕生日で買っていたら当たっていた、なんてことも何度もある。だがこれはこれでまたそういう馬券は邪道と避けてきた者にはなかなか買えない馬券なのだ。

 話戻って。『Gallop』が縦組文章に戻ったのは10月26日発売号からとか。そのときは武豊と横山の対談で盛りあげたらしい。写真はその表紙。バックナンバーから探してきた。もう一ヵ月経っている。まったく気づかなかった。つまり一度も手にしていない。
それにしてもなぜあんなことをしたのだろう。『Gallop』は「週刊サンスポ」である。馬柱は新聞と同じく縦組のまま、文章だけ週刊の方が横にすることに意味はあったのだろうか。Wikipediaで調べたら横組文章時代は二年半続いたとか。横組になってしまったときのショックは今も覚えている。編集部でも相当の論争があったことだろう。そこに踏みこんで、そして二年半での撤退。内部事情を知りたいものだ。

競馬は外国から来たものであり、アルファベットや数字の処理からも横組に向いている。最初からそうした「競馬ブック」は慧眼である。見事な先見の明と言える。横組「競馬ブック」は最初から敬遠していたのでそのことを真剣に考えることはなかったのだが、20数年前、マニアックな血統専門誌「競馬通信」を愛読している時、そのことを思い知った。アルファベットの外国馬、人名と数字が頻発する競馬通信は縦組文章では成立しなかったろう。横組文章は嫌いだけれど、「競馬文章ってのは横組のものなんだな」と認めざるを得なかった。


しかし競馬を覚えた当時から専門紙も週刊誌もブックであり、横組に慣れていた関西の競馬ファンはともかく、関東人にとってそれは馴染めないものだった。こちらの週刊誌「週刊 馬」「競馬報知」みな縦組だった。それらが軒並み廃刊になって行く中、縦組で出た『Gallop』はだからこそ支持された。と思っていた。今さらもう西高東低なんて言うことすら虚しく、関東の馬主もこぞって西に預ける時代だが、『Gallop』が横組になったときは、またひとつ西に尻尾を巻いたような気がしたものだった。

ともあれ縦組に戻ったのは目出度い。気合の入った週だけ年に何度か買っていたが、横組になってからは一度も買ってなかった。これからまた「たまに」ではあるが買うことにしよう。





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 競馬週刊誌嫌い?

私が競馬週刊誌を読んでいないというとおどろくひとが多い。熱心な競馬ファンは、日曜にレースが終わると月曜にはブックや『Gallop』を手にして先週の反省をし、今週の予想を始めるらしい。馬券好きの私もそう思われているようだ。

私は土日の敗戦ショックを水曜ぐらいまで引きずり、木曜ぐらいからやっとやる気になってくる。それで木曜にブックや『Gallop』を買おうかと思うこともあるのだが、それを買う理由は想定出馬を見ることだから、「あしたの金曜にはもう枠順が出るなあ」と止めてしまう。かといっていつもいつも敗戦ショックから立ち直れないわけではなく、土日の勝利の勢いで月曜の朝から南関をやっていることも多い。

その辺を推測するに、競馬週刊誌を買う習慣のあるひとは、一週間という単位できちんと働いている健全な勤め人であり、中央競馬が好きなのだろう。きちんとしたサイクルで生きているひとなのだ。私はそこまで週末の中央競馬を楽しみに生きていないし、なにより曜日も祝日も関係ない不道徳な生きかたをしているので、競馬週刊誌という「サイクル」とは縁遠い。このごろほんと、「三連休」とか話題になると、「なんで? なんの日?」と思うようになってしまった。ちとやばい。多くの祝日が以前のまま止まっている。たとえば「体育の日」は東京オリンピック開幕式だった10月10日、「成人の日」は江戸時代の元服の日だった1月15日、のように。
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 すべては横組の時代へ

てなことを書いているこれも横書き。こういう機械を発明した国が横書きなのだからしょうがない。コンピュータというのはそもそもアルファベットと数字のためのものだった。こうして日本語が書けるだけでも感謝しないと。

漢字の本場中国も雑誌等みな横書き。数字はアラビア数字。日本人より抵抗がないようだ。とはいえ日本人も縦書きにこだわりがある世代はかなり限られてくる。

私がこどもの頃からもう教科書も國語と古典以外は横書きだった。過日、予備校の先生から古典や漢文も横書きで書く学生がいると聞いた。かくいう私も長年手紙は横書きだ。縦書きは字の巧拙が露骨に出る。横書きの方が字のヘタが目立たない。右から左への縦書きと違ってインクで手を汚すこともない。横組の小説本も出るようになってきた。やがてそちらが主流になるのだろう。逆らう気はない。電車の中で化粧をする女を見るような心の荒廃と比べたら、横書きの小説は耐えられる痛みだ。

マイルチャンピオンシップ的中記──ペリエと笠さんに乾杯

 ペリエが大好きなのでペリエのサプレザ1頭軸の流し3連複で207倍を当てた。外国馬は来たことがないというデータだから、たまには来るだろうとひねくれてみた。「走っているのを見たことのない外国の馬なんかわからん」と、JCはともかく、安田記念等では外国馬を無視する私だから、ほとんどヤケクソに近い。鞍上がペリエでなかったら完全に消していた。3連単も買っていたら当たり。当たるときとはこんなものである。



14番人気で2着し、穴馬券の原因となったマイネルファルケを▲級に評価していたので私には珍しい完勝になる。固いと読んで◎サプレザ○カンパニーの2頭軸マルチで行っても、カンパニーを軽視して◎サプレザ▲マイネルファルケの2頭軸マルチで穴狙いに行っても当たっていた3連単だった。ほんとになあ、当たる時ってのは……。買わなかった馬券を悔やむのはみっともないのでもうやめる。3連複しか買っていない。207倍は御の字である。15点勝負。配当は34倍から500倍まで。100倍は無理と思っていたので望外の高配当がうれしかった。



マイネルファルケを重視できたのはメルマガを愛読している血統評論家・笠雄二郎さんの「ホースレター」のお蔭だった。笠さんの予想は◎サプレザ○マイネルファルケ。しかもどっちを本命にしようか迷うほどマイネルファルケを重視していた。本命が一致したのがうれしく、それまで△程度だったマイネルファルケを笠さんに敬意を表して▲に格上げした。自力でやたらマイルに強いマイネルファルケを△にしていたので、笠さんのメルマガを読まなくても当たったとも言えるのだが、そこは馬券は水もの、無印にしたライブコンサートやサンカルロにも未練はあったから、△のままだとパドックを見て切り替えていた可能性も高い。やはり笠さんの印から▲に格上げしたからこその的中だった。とはいえこれをしてよくハズれてもいる。今回はたまたまの結果だ。



●薄氷渡りの最終レース



そのあとの東京最終。どこから見ても負けそうにない単勝1.4倍の断然人気シャルルマーニュの1着固定3連単にマイルチャンピオンシップの払い戻し全部、と思った。昨日から決めていた勝負レースだ。マイルチャンピオンシップをケンしてもこれだけは買わねばと思っていたほどの確信のレースだった。運よくあまり自信のないマイルチャンピオンシップが当たった。いや正確に言うなら当たる自信はそこそこあったが、よくて50倍程度だろうと思っていた。想定外の高配当である。ふだんならこのプラスでもう満足なのだが稼がねばならない理由がある。行くしかない。行こうと思った。低配当3連単を太く、すくない点数で。

だが鞍上が大嫌いなエビナである。何度痛い目に遭ってきたことか。それでいて来なくてもいいときに来る。最悪の相性だ。とはいえエビナも、ストロングガルーダでマイルチャンピオンシップに行かなかったのは、この馬での確実な1勝が計算できたからだとも言われている。それぐらい固い。さてどうしよう。

悩んだ末、自重した。死に急ぐこともない。1着固定ではなく、3頭を軸にしたフォーメーション24点買いで、シャルルマーニュの2着3着も想定した馬券にした。金額も参加料程度の小銭にした。予想目にはシャルルマーニュが断然人気であるから20倍前後のトリガミになる配当も数点あった。ひどい買いかただ。もしも1着でばっちり決まったら悔やむ。その可能性は高い。だからこその単勝1.4倍。午前中はずっと1.2倍だった。ディープインパクト並の支持率である。めったにない1着固定候補なのだ。3連単1着固定4点から6点買いで25倍程度を太く仕留めるレースだ。



しかしさすがはエビナ、負けようのない馬で見事2着に敗れた。3連単は96倍。エビナが勝っていたら22倍で私はトリガミだった。3.1.2番人気の決着でこの配当だから、いかにエビナ1着が売れていたことか。それは3連複の安さからもわかる。



的中よりも、全額勝負しなくて良かったという安心感に包まれる。エビナ1着固定で全額つっこみオケラになっていたら、エビナのわら人形に呪いを込めて、このブログもしばらく書く気になれなかった。マイルチャンピオンシップが当たっても、その儲けをぜんぶここでスったら何の意味もない。ここ数戦の対戦相手からも持ち時計からも負ける要素はなにひとつないのに完敗。これが競馬なのか。1着固定で行き悔しい思いをしたひとも多々いたことだろう。

これが好きな内田なら諦められるのだが、さんざんひどい目に遭ってきた大嫌いなエビナをてめーに都合よく信じて勝負しハズれたら惨めでいられない。私はしばしば人気のエビナを消し、見事に勝たれて馬券をハズす。それに悔いはない。嫌いな騎手を嫌ったのだからこれでいいのだと納得できる。

たとえばエフティマイアだ。人気薄で桜花賞、オークスを2着し、3連単大万馬券の立て役者となった。私はもちろん買っていない。大外れ。しかしその後その実績から人気になったときも買わなかった。これが正しい。人気薄の時は買わず、実績から人気になったので買ってハズれる。やはり買わねばよかったと悔いる。怨みが募る。負のスパイラルだ。これがよくない。さんざん苦労したので、エビナに関してはどうやら徹底できている。

問題はこんなときだ。嫌いな騎手なのだが、馬の方はすべての面で勝つに相応しい。どうするか。G1ならともかくたかが条件戦だ。今回は騎手を信じるべきか。よくある固いレースなのだ。いちばんいいのはそういうレースを勝負レースにしないことだ。それはわかっている。でもすくない資金で稼ごうと思ったら二段ロケットをやらねばならない。今回はもしもマイルチャンピオンシップで資金が増えたらここにつっこむしかなかった。よくぞ自重したものだ。むしろ今日のメインはこっちだったか。

しかしそれはひとつの可能性を消した、とも言える。もしもここで全額勝負をして的中し窮状を救ってもらったら、私はエビナ好きになっていた可能性もある(笑)。好きになりたいのだ。嫌いな騎手をもっていていいことなどなにもない。残念ながらそれはならなかった。冷や汗の薄氷渡り。ともあれオケラにならず、エビナを怨むことにもならなかった。よしとしよう。



今夜はきっちり3着を確保してくれたペリエと、マイネルファルケを推奨してくれた笠さんと、2着になって配当を上げてくれたエビショーに、いやエビショーを信じず有り金全部勝負をしなかった自分に、乾杯しよう。

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 大坪さんの発音


関西からの中継で、大坪さんが「サプレが」と言うと「はい、サプレですね」、「キャプテンーレが」と言うと「ええ、キャプテントゥーレですね」といちいちアナが言い直しているのが笑えた。アナは意地悪ではなく、大坪さんを親切にフォローしているだけなのだけれど、どうしてもカタカナ発音が苦手な年寄りを若いアナが直してやっているように聞こえてしまう。(関西のマニアには大坪さんの馬名言いまちがいは有名なようだ。関東ではたまにしか見ない人なので知らない。)

大坪さんにも確実に引退の時が迫っている。齢を取ってくると(大坪さんではなく私がね)、今まで続いてきた定番がそのまま続くことを願うようになる。若いときは「こんなものはさっさとやめろ。もっといいものがあろだろう!」と思ったものに対してだ。たとえば特に好きなわけでもないのだが、長年親しんできた『笑点』も、上手にマイナーチェンジしつつ永遠に日曜夕方にあって欲しいと願っている。マンネリの安心感とでもいうのだろうか。関東ではずっと解説をして欲しかった大川さんが意外な早死にをしてしまった。大坪さんのますますの御健勝を心から祈る。

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 的中はむずかしい!

関東の専門紙8紙の本紙予想は7紙がカンパニー本命。しかしマイネルファルケに△を打ち馬単を的中させたのは2紙のみ。しかもその2紙はサプレザを無視。もう1紙ももちろんハズレ。つまり3連複3連単を当てた本紙予想は0。

関西は専門紙5紙の本紙予想すべてカンパニー本命。でも5紙ともマイネルファルケは抜け。全紙敗北。

毎日王冠、天皇賞とカンパニーを本命にして的中してきた清水成駿さんは今回はサプレザ本命のカンパニー対抗。マイネルファルケは無視なのでハズレ。いやそもそも本命が3着だから馬単勝負の清水さんは完敗。

それでいうと私が今回助けてもらった笠さんも基本は単勝で勝ち馬を当てる予想。本命3着対抗2着だからハズレになる。私も本命のサプレザから馬単勝負だったらハズれていた。たまたま当たったのは勝負馬券を3連複にしたからだ。

3連複にするまではだいぶ悩んだ。サプレザが勝つことにかなり自信があったから馬単勝負にしようかと揺れた。馬単だと6点に絞れる。迷った。あぶなかった。ともあれ馬券下手、ひさびさの的中。今日だけは自分を誉めてやろう。

エリザベス女王杯──あの結末の肯定と否定

エリザベス女王杯のレース評価が喧しい。レースの評価そのものより、「レース評価に対する評価」で論争されているのがおもしろい。「史上最低のクソレース」という否定派と「あれもまた競馬」という肯定派である。否定派は「後続の騎手はなにをやっていたんだ。全員騎乗停止にしろ」と怒り、肯定派は「充分に読めた展開。過去にもよくあったレース」となる。感情的になっている否定派に対し、肯定派はクール、となる。いやこう書くと否定派に対して失礼だ。否定派がまっすぐな意見の正統派であるのに対し、肯定派は知ったかぶりのひねくれ者、とも言える。もちろん肯定派がみなあの大穴馬券を取っているはずもない。あくまでも意見としてのものだ。どっちも正しいのだからここは公平に記さねばならない。

肯定派は同じような過去のレースを知っていて競馬に詳しく、一方怒っている否定派は過去を知らない初心者が中心という分析もあったが、ヴェテラン評論家でも激しく否定していたひとは多いからそう単純に分けられるものでもあるまい。これはもう今年のエリザベス女王杯のレース評価を離れて、それぞれの「競馬観」を問う話になっている。



私は過去に同じようなレースをいくつか観てきたから、「まあこんなこともあるよなあ」というウインズで白けていたというおじさん達と同じ感覚の、どちらかといえば肯定派だった。それは「敗戦記」に書いた。安藤ブエナビスタが過剰に藤田ブロードストリートを意識するなら充分に読めた展開である。2頭の勝ち負けはともかくブエナビスタの相手にあの2頭の逃げ馬を選ぶことはさほど難しくなかった。と真っ先に消しているヤツが書いても説得力はないが。

肯定派は過去のレースを出して否定派に問う。「ならプリティキャストの逃げ切りも否定するのか!?」と。おお、懐かしいな、不良馬場プリティキャストの逃げ切り天皇賞。追いこんできた2着は"お化け戦闘機"メジロファントムだった。今回情勢を観て早めに動いたのが横山のカワカミプリンセスであり、このメジロファントムの鞍上が父親の横山富雄だったことから、「横山親子は機を見るに敏」なんて評価も見かけた。

否定派の意見に「イングランディーレの時と同じクソレース」というのがあった。あれは脱力するレースだったねえ。あのとき見事に逃げきった鞍上は横山である。
まああれもこれも競馬、と私は今回のエリザベス女王杯に肯定的だったのだが、ある意見を読んですこし考えが変った。そのひとはあのレースを肯定したあと、こう書いていたのだ。「でもまあブエナビスタの単勝を百万も買っていたなら怒るのもわかるけどね」と。
忘れていた悪夢が甦ってきた。



あのメジロパーマーが逃げきった有馬記念。私は1番人気のトウカイテイオーから馬連を合計百万円買っていた。メジロパーマーの逃げ切り(厳密にはダイタクヘリオスに一度ハナを譲っているが)、2着も先行したレガシーワールド、3着にナイスネイチャ。私の本命トウカイテイオーも2番人気の菊花賞馬ライスシャワーもまったく見せ場なし。かすりもしないハズレに中山で腰が抜けた。へたりこんだ。このレースで、競馬に大金を掛けるヤツはバカだと見切りをつけ、私は競馬観を変えた。翌年からは有馬記念などほったらかしにして海外旅行に出かけるようになった、とは以前書いた。

それでもまだこれはいい方だった。なぜならこの百万は「自己資金」だったからだ。痛かったけれど自分で稼いだ金だから禍根が残らなかった。惨めな暮れと正月になったが……。
このレースが1992年。リードホーユーが逃げきった有馬記念は1983年か。このときスった50万円は自分の金は20万ぐらいしかなくあとはサラ金で掻き集めたものだったから金銭的痛手はより大きかった。中山で踞り、返済をどうしようと頭を抱えた。思えば両方とも人気薄馬の逃げ切り。まさにアップセットはみな逃げ馬が作る。



競馬場で腰が抜けた思い出したくもないふたつのレースだが、私の敗戦感覚は微妙に違う。リードホーユーは人気薄と言っても3番人気だった。単勝は1080円にすぎない。この年は19年ぶりの三冠馬ミスターシービーが誕生した年だった。そのミスターシービーは有馬記念に出ない。ミスターシービーに関しては「弱いという噂」があった。第50回ダービー記念の「作られた三冠馬」なのだと。

しかし、なら、だからこそ、その噂を打ち消すために、「ミスターシービー世代の馬が勝つ=やっぱり三冠馬は強い=出ていたら勝っていた」という読みが成立した。私は有馬記念のだいぶ前からその読みをしていた。リードホーユーがミスターシービーの代理なら、この馬から行くのは充分に戦略として成立したのである。だからこその3番人気だったろう。

私はその読みが出来た。だけどミスターシービーという三冠馬も、その世代も、弱いと思っていたし、"競馬界の玉三郎"などと呼ばれ「自由にさせて欲しいのさ」なんてレコードを出して粋がっているリードホーユー鞍上の田原成貴が大嫌いだったから(昭和で言うとこのレースが昭和58年、あの「サルノキング事件」は前年の昭和57年になる)、そういう読みは出来たのだが、敢えてそれを否定したのだった。ミスターシービー世代の馬を菊花賞2着のビンゴカンタ、オークス馬ダイナカールも含め、全馬真っ先に消した。これじゃ当たらない。

その「読み」は正しく、1、2着をミスターシービー世代が占めた。ミスターシービー世代の馬を選んでボックスにしていれば3点で取れた大穴枠連だった。腰が抜け、借金返済を考えて頭を抱えつつ、「どうしてあの読みに逆らったのか。あの読みで行けば本線的中だったではないか」と悔いていた。「御上の意向に逆らってはならない」と反省した。ハズレはしたが「想定内」の競馬だった。



対してメジロパーマーの時はわけがわからなかった。先行した人気薄2頭で決まっての馬連300倍。3万馬券。有馬記念最高配当、大波乱の結末に呆気にとられていた。まったくの想定外のレースだった。中山競馬場で踞り頭を抱えていたのはリードホーユーの時と同じだが、抱えていた頭で考えていた中身はだいぶちがう。リードホーユーの時は読めた競馬だった。対してこれはなにがなんだかわからない競馬だった。このレースも、トウカイテイオーとライスシャワーという2頭の人気馬が互いに意識し、牽制しあい、その間に逃げ馬が……という内容だったのか。後日記事になった「トウカイテイオー虫下し事件」は知っている。それによる体調不良が原因なのか。私には大勝負した馬になにひとつ見せ場のないひどいレースだった。このトウカイテイオーの鞍上もリードホーユーと同じ田原成貴。なんとも祟られている。

もう忘れたい疵痕なので真実などどうでもいいが。翌年の「奇蹟の復活」のとき、私は日本にいなかった。昭和48年以降、初めて有馬記念を買わない年だった。「奇蹟の復活」で当てているとまた思い出も変っているのだろうが……。



話が長くなってしまった。要するに「馬券購入金額」と、それに伴う「感想の変化」についてである。
ブエナビスタ大好きの私は、JFも桜花賞もオークスもブエナビスタ1着固定3連単で当てているのだが断然人気の低配当馬券なので儲かっていない。とはいえそれはこちらの買いかたの問題。断然人気馬を1着に固定して、相手にとんでもないのを選んで高配当を狙ったら、2、3着にも人気馬が来たという結末。少額で遊べる3連単という新馬券で遊んだからでもある。いや少額で高配当を狙える3連単という馬券があったから大金をつっこまずに済んだ。こっちが正解か。

もしも今回儲けたいと思い、かつてのような大金勝負をしたなら、馬券は馬単になったろう。リードホーユーの有馬記念は枠連勝負、トウカイテイオーの有馬記念は馬連勝負だった。それしかない時代だった。今回のような固い軸のいるレースで大金勝負をするとなったら馬単になる。
ブエナビスタ1着固定。メイショウベルーガで16.8倍、シャラナヤ14.5倍、リトルアマポーラ11.5倍、ジェルミナル16.4倍、カワカミプリンセス20倍。これを10万円5点勝負。ブロードストリートとの6.7倍は目をつむって切るしかない。本気勝負をしたらこうなる。ならざるを得ない。その辺はむかしもいまも変っていない。これをしていたら、あの結果を「これも競馬。よくあること」なんて悠長なことは言っていられなかった。



という話。現実の私はいつもの「G1参加料」と割りきれる金額を損しただけなので何の怨みもない。だけど大金をつっこんでいたらそんな呑気なことも言っていられなかった。それはそういうリードホーユーやトウカイテイオーを経て学んだことだから、今そんな金額を買うことはあり得ない。私はトウカイテイオーの有馬記念以降、1レースに注ぎこんだ最高金額は10万円程度でしかない。(エイシンプレストンの朝日杯を16万円買っていることを思いだした。それがその後の最高額のように思う。)

今回、多くのひとの意見を読んでいて「金額は重要」と思った。ネットの種々の意見を真剣に読んだが、さすがに「私は競馬は大好きですが馬券は一切買いません」というひとの意見は、いかに立派なものであれ読む気にならなかった。金を賭けない競馬には関わりたくない。たまにいる。すごい競馬通、血統通なのだが、馬券は一度も買ったことがない、なんてひとが。

私は今回のエリザベス女王杯を苦笑しつつ観戦し、感想として「ま、しょうがないか。こんなこともある」なのだが、それは馬券購入額が大きくないからなのだ、と確認した。
むかしは百万円を儲けようと思ったら、最低でも20万円ぐらいの資金が必要だった。今は2千円もあれば夢を見られる。原理的には100円で見られる。

高配当になる馬券を売りだすことは庶民の射倖心を煽ると御上は発売を規制してきたのだが、現実にはそれの発売により射倖心は抑えられている。皮肉なものだ。私のようなバカは、100円で百万円が夢見られる3連単があるから少額馬券をやっているだけであって、今も枠連しかなかったら、相変わらず卒業できていないのではないか、という気もする。

「もしも」を考えると切りのない話だが、假に大金を賭けて大外れしていたとしても、今回のエリザベス女王杯は「想定できた競馬」ではあると思う。すくなくともトウカイテイオーの有馬記念よりは私にはわかりやすかった。しかし落胆度合は購入額によってだいぶちがったろう。こんなレースに大金を賭けなくてよかった、3連単で小銭競馬をするようになってよかった、という安心感は、たしかにある。

エリザベス女王杯敗戦記──悔しさすらもなく

 買いたい馬が多すぎる。データやらなんやらであれこれチェックし、いらない馬に斜線を引いて消した。8頭まで絞った。クィーンスプマンテもティエムプリキュラもその対象であり、いわば私にとって「出走していない馬」なので、あまりの結果に悔しさすら湧かない。それどころか馬上で泣きじゃくる田中の姿に目頭を熱くしている。懐は氷点下なのに。

よかったなあ、田中。おめでとう。インタビュアがシルクメビウスでのユニコーンS制覇を知らず「重賞は初めてですか?」と問うていた。田中は思わず「馬がですか?」と聞きなおしてしまい、どうやら自分のことらしいと気づいて、「今年重賞をひとつ勝たせてもらっています」と応えた。それほどの人気薄だったとも言えるが、あのアナは失礼だ。インタビュウ前にそれぐらい確認して行け。

田中は言葉づかいからも賢い青年であることが伝わってくる。23歳。ますますの活躍を祈る。シルクメビウスに乗せて花開かせた領家厩舎のスタッフも我が事のようにうれしいだろう。





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上位2頭を消して3着から8着までを見ると、実力馬が上位を占めたいい結果(笑)。16-10-2の3連単は128倍。いいところである。思わず「お、おれの本線だあ!」と叫びたくなるが、あくまでもこれは1、2着馬を消した着順。



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「逃げ馬2頭が逃げ残り、追いこんできたブエナビスタ届かずの3着」という読みをして3連単150万馬券を取ったひともいるのだろう。見事なものである。取りようによっては「たった150万?」とも言える。去年の秋華賞は1000万だったのだから。

勝ち馬クィーンスプマンテの小島茂之師は去年のその秋華賞で1着、3着となったブラックエンブレム、プロヴィナージュの調教師。栗東の強さを学ぼうと積極的に滞在している。これまた見事な結果である。関西の強さをすなおに認めて学ぼうとする関東の調教師はえらいと思う。もっとも今日のはあくまでも「展開の綾」だろうが。

京都10レースにその1000万馬券の立て役者プロヴィナージュが出ていた。「今年も小島だよ」という暗号?だったのか。



私の読みでは唯一「両馬意識しあっての共倒れ」が当たった。しかし当然それなら「互いに意識しあって動けない=前残り」となるはずで、この展開を想像すべきだった。昭和48年の有馬記念、前にいるハイセイコーとそれを見ているタニノチカラが意識しあって互いに仕掛けられず金縛り状態。逃げたニットウチドリが2着、それを交した二強の前にいたストロングエイトが勝ったレースとまったく同じパターンなのである。そのときも断然人気のハイセイコーはなんとか3着は死守している。

36年前に学んでいるその「学習」を活かせなかったのは、「抜けた二強」ではなかったからだ。もしもハイセイコーとタニノチカラのような「二強対決」なら、そういう読みも出来た。私はブロードストリートをブエナビスタと同等に見ていなかった。力が違いすぎる。ああいういきさつがあったから、負けるわけには行かないと安藤はかなり意識したようだが、ブロードストリートはそれほどの馬ではない。だから「ブロードストリートを意識してブエナビスタが動けないという想定」が出来なかった。これがシンボリルドルフとディープインパクトの対決なら、両馬が意識しあって動けず、サイレンススズカの逃げ残り、と読めた。

とはいえ力が抜けているからこそ、先に仕掛けて、ゴール前、あとからやってきたのにハナ差でも差されたりしたら赤っ恥だ。慎重になってしまうのはしかたなかったか。フジテレビ解説の小島太は、はっきり後続集団の騎手がペースを読めていずだらしないと批判していた。こういう厳しい指摘は気持ちいい。騎手出身だから出来ることだ。波風立てない井崎さんは決して言わないことでもある。

ブエナビスタの追いこみは鮮烈だった。あらためて強さをアピールしたとも言えるが運気はやはり低下していた。これからどうなるのだろう。心配だ。「当たった」でいうなら、「ブエナビスタの運気低下」が当たってしまったことの方が重要だ。やはり勝てなかった。あのメジロマックイーンですらJC、有馬と勝てなかったように、ブエナビスタのそれは深刻だろう。ましておんななのだから。



枠連だと、2番人気ブロードストリートと5番人気カワカミプリンセスの代用で馬単25万馬券も45倍。1頭1頭の馬券だと射倖心をあおると枠連なる奇妙なものを考えついた役人の異常感覚がこういう馬券に接すると際立つ。同じ馬主の馬は同枠に括って「公平」を期する白人からみたら日本の「枠連」とは意味不明のシステムだろう。「島国根性」「独自の文化」を語るとき、競馬のこの「枠連」は絶好の例になる。馬連馬単がある今、私はこれはこれでおもしろいと好意的に解釈している。真っ当なものがあればこの異常なシステムもまた一興だ。これしかないときは地獄だった。枠連しかない時代。国鉄のスト、厩務員のスト、ひどいものだった。信じがたいことだが、厩務員が給料上げろとストライキをしてクラシックレースの日程がくるったりしていたのだ。そこを目標に仕上げられた馬はたまったものではない。昭和を懐かしみ「あのころはよかった、いまはひどい」と口にされるが、ずいぶんとまともになったことも多い。岡部のコピー「馬優先主義」という文字を見るたびに、馬優先でない時代を思い出した。「電車の中で食事、化粧」のように世も末と思うことも増えたが。



馬券は、迷った末、ブエナビスタ1着固定で行った。一晩中、マルチにしてブエナビスタ3着で高配当を得るパターンを夢想していた。だけど最終的に、ブエナビスタが好きなのだから彼女に恥ずかしくない馬券を買おうと結論した。けっきょく馬券てそれなのだと思う。的中不的中よりも大事なのは、禍根を残さないことなのだ。私は馬券を「自分を写す鏡」としている。自分が醜いガマガエルであることは自覚しているが、かといって何度も真正面から見させられるのはつらい。

上位2頭が無縁の馬でよかった。これが相手に選んでいた馬だったなら、「やっぱりマルチだったか。ブエナビスタの運気が低下しているのは読んでいたんだ」なんて悔いたろう。まことにみっともない話だがそんな気がする。ブエナビスタが勝って2、3着が逃げ残りなら、「なぜこの展開を読めなかったのか」と悔しがったように思う。でもそれは素直な競馬。ブエナビスタがあの目の覚めるような末脚で2頭を交して勝ち、多くの競馬ファンが、「この展開は読めてたんだけどなあ」と悔いる。それがよかったような気がする。今はそれすらなくとても澄んだ気持ちです(泣)。

1着ブエナビスタで、クィーンスプマンテ、テイエムプリキュアの順だと、3連単は73万馬券。それでもこんなにつくのか。おどろいた。この結果だと逃げ残りを読めなかった自分にけっこううじうじしたような気がする。競輪のトップ引きみたいに直線に向いたら用無しの2頭だと思っていた。いや、ブエナビスタ1着で75万なのに3着で倍しかつかないというのは、この展開を読みきった馬券上手がそれなりにいたということだ。そういうひとにとっては、配当はもちろんだが、読みが当たったことがよりうれしいことだろう。ともあれ、どんな結果であれ、悔いが残らないのはよいことである。私は今年何ヵ月も引きずるほどの醜い馬券を一度やってしまったので、ハズレて残念よりそのことのほうが先に来ている。

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 下線部分に蛇足的補記。同じレースに同じ馬主の馬が複数頭出て来たら、ひとつの枠にしてしまうのである。もちろん日本的な複枠ではない。単枠である。初めて見たときはおどろいた。同じ勝負服がひとつの枠にまとめられているのだ。西洋人の意識に触れた気がして感動した。なんというか、彼らの正義感というか潔癖主義というか、そんなものを感じた。おとなの国だと思った。

日本もそれをやればいいと思う。8枠制度なので外国のようには出来ないが、社台RHやサンデーTC、マイネル等、複数出走してくる馬主をひとつの枠に括ると、それはそれで枠連のおもしろさに繋がる。楽しいだろうね、これらのクラブがダービーに複数頭出走させたとしたら、それらがみなみなひとつの枠にまとめられるのだ。社台RHが5頭、サンデーTHが3頭、マイネルが3頭、アドマイヤが2頭だったりすると、今のような均等分けした8枠ではなく、ひとつの枠に5頭同じ勝負服で揃ったりする。当然6枠に3頭、7枠に5頭もいるが、8枠は1頭なんて事態も起きる。ゾロ目が連発するか。おもしろいだろうね、枠連オッズが。いま社台RHもサンデーTHも冠馬名を使わないので目立たないが、実際G1ではそんなことも起きている。春天にアドマイヤの馬が4頭出て来たことがあった。あれをひとつの枠にまとめたら壮観だったろう。まあ日本じゃまずやらないだろうけど、私はすべきと本気で思っている。しかしそれよりも8枠連複制がなくなるのが先か。

エリザベス女王杯──ブエナビスタの運気

これは去年の結果。空馬ポルトフィーノが1着で駆けぬけた伝説のレース。











低配当だがリトルアマポーラ本命の大本線で取った思い出のレース。数少ない快勝のレースを振り返り士気を鼓舞しよう。好きな馬、好きな騎手で決まっている何度見ても気分のいい結果。落馬してしまった武騎手もポルトフィーノも好きだけれど。


けっきょく私の取れる馬券というのはこの程度、という気がする。要はこの程度の結果に終わるレースをいかに撰び、それにつっこむか、になる。





私はポルトフィーノは無敗で桜花賞を勝つと思っていた。なのにそのころから不運がつきまとう。あのこは何が原因であんなに不運なのだろう。ええとこのお嬢さんなのに不思議でならない。これから彼女がしあわせになることはあるのだろうか。





私は大のベガファンだが、息子アドマイヤベガのダービーをハズしている。デビュウ戦で1着降着(4着)という汚点を附けた馬が栄えあるダービーを勝てるとは思わなかったからだ。皐月賞での1番人気敗退がそれを象徴していた。


しかしアドマイヤベガは見事にダービーを勝った。汚点を払拭するだけの強運と実力を持っている馬なのだとあらためて感嘆した。


なのに1番人気で菊花賞を敗退し早々と引退となる。すべての運をダービー優勝で使いきったのか。こういうダービー馬は多い。ウイニングチケット、アグネスフライト。古くはオペックホースだがウイナーズサークルやアイネスフウジンもこの系列か。


だが初年度産駒が見事に走る。名血の力。名種牡馬となるのかと思ったら今度はあっけなく死んでしまった。数少ない産駒は充分に活躍し、いまも早世が惜しまれている。彼は強運の馬なのか。それとも非運の馬なのか。





ブエナビスタは競馬の神様に愛された強運の娘のはずだった。あの「伝説の新馬戦」ではリーチザクラウン、アンライバルドを凌いで牝馬ながら1番人気だった。牡馬に勝ちを譲っての3着。3着ながらあのレースでいちばん目立っていたのは彼女だった。そしてその後の切れ味鋭い連勝。久々の牝馬三冠は確定と思われた。


なのに秋華賞でのあの降着……。





「ブエナビスタ降着考」に書いたが、G1での降着という屈辱を味わったメジロマックイーンは、JC、有馬と勝てなかった。有馬記念は2着だから最低責任は果たしているようだが、ダイユウサクの単勝万馬券を演出しているのだから運気低下としか思えない。カワカミプリンセスの非運は言うまでもない。


ブエナビスタはどうなるのだろう。札幌記念2着から始まった運気の低下は、ここからアップに繋がるのか!? 興味はその一点だ。





松田調教師は藤田騎手の「あれがなければ突きぬけていた」に怒り心頭のようで、「あの馬とははっきり決着をつけてやる」と明言している。降着の時は「降着にするなら(同じく迷惑を掛けた)ワンカラットの下(7着)にしてくれ」と言ったとか。いかに降着が不満だったかがよくわかる。因縁のブロードストリート以下に快勝し、力の違いを見せつけるのだろうか。ブエナビスタファンである私はそう願っている。


だがいちど不幸を味わったおんなは、果てしなく転落して行く。選ぶ道がすべて不幸に繋がっている。それはひとも馬も同じ。


ブエナビスタは札幌記念を勝って凱旋門賞に行くはずだった。予定外の負けに外国遠征を断念する。秋華賞出走。ここを勝って牝馬三冠を達成しJCに向かうはずだった。2着敗退。3着に降着。方針転換してエリザベス女王杯。これはしあわせに繋がる道なのか。それとも。


ああ言いきった藤田も、すんなり軍門に下るとも思えない。とすると、共倒れもあるのか?





3年前の1着降着馬カワカミプリンセスも出て来る。あれ以来勝利はない。去年は2着。もう6歳。かなしいプリンセス。ドレスも色褪せてきた。応援したい。


去年ルメールで勝ったリトルアマポーラは今年はスミヨン。スミヨンは勝ち星を量産し文句なしに巧いのに、本国じゃあれこれ問題を起こしている。よほど言行に問題があるのだろう(笑)。


フランスからのシャラナヤは勝ち負け出来る実力馬だ。鞍上はルメール。この馬の参加で今年のエリザベス女王杯は一気におもしろくなった。


シャラナヤの馬主はアガ・カーン殿下。そこの主戦をクビになったスミヨンと、あらたに主戦騎手となったルメールの因縁もおもしろい。これも共倒れ?


そして浮かんでくる穴馬メイショウベルーガ???





私はJFからチューリップ賞、桜花賞、オークス、札幌記念、秋華賞とみなそうだったように、今回も大好きなブエナビスタ1着固定3連単で行くつもりだが、もしもパドックの彼女におんなの不幸を感じたら、やめる。


かといって彼女を消す馬券は買いたくないので(消して見事に勝たれたら恥ずかしくて今後競馬が出来なくなる)、見(ケン)にし、前後の条件戦を勝負レースにするつもりでいる。


大好きなブエナビスタに目の覚めるような切れ味で勝って欲しいけど、もしも彼女がダメならカワカミプリンセスに復活して欲しい。彼女が三年前1着降着になったこのレースを勝ったら泣きそうだ。

ホップ、ステップ、転倒ばっか.3──アルゼンチンで骨折

日曜10レース、赤富士ステークス。3歳以上1600万条件。ダート2100メートル。私の本命は8番シビルウォー。対抗は15番ロールオブザダイス。どっちかが勝つ。まちがいない。このコースこの距離にはなぜか得手不得手がいる。この2頭は得意。3連複も3連単もこの2頭を軸にすれば当たる。シビルウォーが2番人気、ロールオブザダイスが3番人気。

1番人気は5番のサクラロミオ。中央でデビュウしたものの芝で芽が出ず地方落ち。が浦和のダートで連勝し再中央入り。復帰した中央でもダート戦を連勝。これでダートは4連勝。というか4戦全勝。ちょいと色気を出しもういちど芝を走らせてみたが大敗。これで割り切ってまたダート。すると楽勝。ダート戦5戦5勝。芝は8戦全敗。ダート路線はこういう適性の極端な馬が多いから楽しい。前走の観月橋Sではアドバンスウェイの逃げ切りに完敗しているが2着は確保した。ここを勝てば群雄割拠するダート戦線にまた1頭楽しみな馬が加わる。父はサクラローレル。母父はサクラチヨノオー。まさにサクラロマンである



同じ4歳馬ではあるが、丸一年勝ち星から遠ざかっていて前走は11着のロールオブザダイスや、前走同じコース同距離で勝ちあがったが、それが1000万条件であり、惜敗の多いシビルウォーより単勝(=勝ち馬)として期待されたのは当然だった。





【後日記】サクラロマンであるから当然生産は谷岡牧場だろうと確認したら新和牧場だった。奇妙な感じがしてさらに調べると、2002年に谷岡牧場と新和牧場が合併して新和牧場になっていた。代表が谷岡さんであることからもわかるように新和牧場とは名前を替えた谷岡牧場なのだが、もう日高に名門谷岡牧場はないのだった。私が初めて谷岡牧場を取材したのは「朝日杯3歳ステークス馬サクラチヨノオーの故郷」でだった。翌春「ダービー馬の故郷」としてもういちど訪問することになる。私は20世紀の取材者なので情報が古い。痛感した。






1番人気に支持されて当然のサクラロミオだが、私はこのレースに関しては懐疑的だった。父がサクラローレルということから初挑戦の東京ダート2100もだいじょうぶと思われている。こなせない距離ではない。でもそれよりこのコースこの距離は独特なのだ。その点前記2頭はいかにもここ向けであり実績もある。サクラロミオは無視できないし、買うけれど、理想は軸2頭が絡んでのサクラロミオ4着だった。


軸2頭マルチ3連単相手4頭24点買いをしたい。だが昨日の武蔵野ステークスで原点に戻ってしまったのでその買いかたすら出来ない。なさけない。自信があるのに金がない。かといってこれ以上2頭を軸にしてのフォーメーションで絞るのも危険だった。軸2頭が来たのにハズれたらホップにすらならない。このあとのアルゼンチン共和国杯も自信がある。ならここは2頭軸の3連複で確実に増やそう。





軸2頭が1、3着。サクラロミオは願い通り4着。理想の結果。3着のシビルウォーと4着サクラロミオは僅かクビ差だが、これは確実に視認できていたので焦らなかった。サクラロミオは思った以上に強かった。次は絶対だろう。しかし2着のオメガファルコンは人気馬だ。4番人気。2.3.4番人気での決着。当てはしたがこれでは3連複はつくまい。10倍程度。もしかして15倍? やはり3連単だったか。3連単でも120倍程度か。とはいえ資金的にマルチは買えず軸2頭を1、2着に固定しての絞った3連単だったから軸2頭が1、3着でハズれていた。3連複にして当たっただけでもよしとするか。これで資金は増えた。なんとかアルゼンチン共和国杯をまともに勝負できる。そうなぐさめる。たとえ10倍でも4点勝負だから資金は倍以上になったはずだ。


ところが信じがたいことに、2.3.4番人気で決まったこの3連複、なんと48倍もついたのである。いかに3連複、3連単の軸としてサクラロミオが売れていたことか。(厳密にはオメガファルコンは同倍率の5番人気だったようだ。私が買ったときは4番人気だった。)





資金さえあれば簡単に取れていた3連単は430倍。ここで軸2頭3連単マルチ24点を千円ずつ勝負する資金があったら43万になっていた。しかしそのとき金はなかった。千円どころか100円ずつ買うほどにも。そしてこのレースが終っての払い戻しが皮肉にも2万4千円。このレースの前にこの金額があったなら。どうにも巡りがわるい。

ともあれ自信のあるアルゼンチン共和国杯の資金は出来た。そこで達成すれば同じだ。当てる自信のあるレースを順当に当てた。順風満帆、勝利へ一直線。

 2着オメガファルコンの騎手は横山。このコース距離には騎手も得手不得手がいて、なぜかヨコテンは絶対的に巧い。府中のダート2100で迷ったらヨコテンからである。






アルゼンチン共和国杯。自信の本命はトウショウウェイヴ。東京コースを走るために生まれてきたような馬。昨年5月の未勝利戦で本命にして当てて以来、その後6戦連続で連対し世話になった。すべて府中コース。府中で稼がせてもらったのに、そのあとの1、2番人気に支持された中山で、私は大好きなこの馬を買わなかった。義理を重んじる馬券下手としてはいつもなら府中の稼ぎをみなこの中山の敗戦で吐きだしているところだ。惚れこんだら見境がつかない。なのになぜか「この馬は東京巧者。中山は不得意」と思い自重した。といって消すのは忍びなく馬券は買わなかった。彼は人気で惨敗し、府中に戻ってくるとまた連続して連対した。まさに東京巧者である。エプソムカップでも応援した。これはハズレ。でも悔いはない。馬券上のお手馬であり親友感覚。G3に三度挑んではね返され未だ重賞未勝利だが、今回得意の府中で一気にG2制覇は充分あり得る。








相手筆頭はもちろん府中得意のジャガーメイル。好きな馬だ。1番人気。これまた府中専用みたいな実績。堅軸である。昨年の2着馬。この2頭軸で楽勝の馬券だ。しかしジャガーメイルには昨年と比べて覇気を感じなかった。念には念を入れて、2頭軸3連単ではなくトウショウウェイヴ1頭軸を本線にする。2頭軸よりも買い目が増えるがなんとしても確実に当てたい。

思いきって消す人気馬がスマートギア。鞍上が大好きな内田でありまさに清水の舞台から、の気分だが、こういう2着連続馬は、こんなときに消えると思い、切る。小心者なのでかなり怖い。でもどこかで思いきらないと大穴は取れない。

同じく人気馬サンライズマックスを消す。こちらは割合平気。この馬は府中の2500は合っていないと思う。

この日、トウカイテイオーが御披露目されていた。なつかしいなあ、大好きな馬。私はトウカイテイオーの独特の歩様を「雲の上の散歩」とキャッチコピーした。ということからトウカイトリックの3着もあるかと相手に加える。こういう馬券も大事なのだ。後の祭りで悔やむ方がつらい。

同コース同距離同じG2の目黒記念を楽勝したミヤビランベリは、不良馬場であり時計がひどかったことから軽視されている。でもこの馬も府中巧者。無視は出来ない。

アーネストリーの前走は強かった。本格化したのだろう。でなきゃあそこまで強い競馬は出来ない。相手に加える。アーネストリーもトウショウウェイヴも春のエプソムカップでシンゲンに完敗している。そのシンゲン軸で天皇賞秋を私はハズした。ここはこれらの馬でシンゲンの仇討ち気分。

最後まで取捨を迷ったのがハイアーゲームとモンテクリスエス。ハイアーゲームは府中巧者。断然人気の百日草特別でコスモバルクに負けたときからのつきあいだ。シンゲンと同じ臼田さんの馬。カンパニーと同じ8歳馬。3着はあるだろう。どうしようか。

モンテクリスエスはどうなのだろう。井崎さんが本命にしていた。府中の2500向きとは思えない。かといってもどこにどう向くのだと言われても浮かばない。要するにあまり好きではないのだ。だったら消す。

モンテクリスエスを消して何を加えるかと考えヒカルカザブエにした。もともと応援していた馬だ。好きな騎手の秋山が乗ってきた。春の天皇賞以来というのが気になるが、あくまでも2、3着候補。ありうるだろう。

トウショウウェイヴを1、2着に固定しての、相手ジャガーメイル、トウカイトリック、ミヤビランベリ、アーネストリー、ヒカルカザブエの3連単勝負20*2の40点。有り金全部。迷った末、ハイアーゲームは消した。天皇賞で8歳馬カンパニーを軽視したのに(一応買い目にはいれたが)ここで8歳馬重視はみっともない。と結論しつつも、ハイアーゲームを入れて30*2の60点にすべきだったかと最後まで迷った。

人気はジャガーメイル、スマートギア、トウショウウェイヴ、アーネストリー、サンライズマックスの順。軸馬として信頼を得ているジャガーメイルが消えたらでかい。帯封になる。












吉田豊のトウショウウェイヴだけを見ていた。トウショウボーイのころから親しんでいるトウショウの勝負服だけを追った。

3連単6頭ボックス120点なら1万2千円投資で92万馬券が当たっていた、と言える。資金は2万4千円だったから可能だった。とはいえそれは絶対に買わない買いかたなのであり得ない。ホームページに書いたが、フランスのロンシャンや香港で初めて3連単馬券をやったころ、やり方が解らずボックス買いばかりしていた。そのときの反省があるのか、トラウマなのか、買いかたを覚えた今、ボックス馬券だけは極力買わないようになっている。

人気薄の上位3頭を選んでいるから、ミヤビランベリ、アーネストリー、ヒカルカザブエのどれかを軸にしていれば当たっていた、とも言える。が、それもあり得ない。

なぜなら今年のアルゼンチン共和国杯は、私にとって「未勝利戦から追い掛けてきた大好きなトウショウウェイヴ戴冠(G2で戴冠は大袈裟かな)レース」だったからだ。それしか興味がなかった。相手に選んだ3頭で決まったのは「たまたま」でしかない。すべてはトウショウウェイヴだった。それが来なかったのだから諦めもつく。

ほんのすこしだけ「3連複6頭ボックス20点」で、配当12万円だったのかと未練がよぎる。20点なら買っておいてもよかったと。しかしこれも結果論。今回3連複は買わなかったが、買ったとしても「トウショウウェイヴ軸1頭流し相手5頭の10点」だった。いやいや買うからには当てたいと増やしたかも知れない。3連複を手広く買うのは邪道のようだが、大荒れの時、これで補填してもらって何度助けられたことか。それでも「トウショウウェイヴ軸1頭流し相手7頭21点」だったろう。トウショウウェイヴが来なかったのだから何を買っても当たらないレースだった。





というわけで、地道に当て、せっかくこつこつと資金を増やしながら肝腎のレースでハズれて、またもJNB残金は0になってしまった。なんともむなしい一週間。

メインの勝負2レースが、私には当たるはずのない大波乱の結末なのだからしょうがない。武蔵野ステークスが3連単60万決着になったときは「明日のアルゼンチン共和国杯はまともな決着」と思った。それがより以上の90万決着だった。泣く。

ひどく落ちこんでいるのだが、それでもまだ救いがあるのは、武蔵野ステークスもアルゼンチン共和国杯も、好きな馬がいて、それを応援して負けたことだ。これがただ単に金が欲しいだけでまったくイメージの浮かばないレースなのにG1だからと勝負したり、あるいは好きな馬がいるのに配当目当てでそれを消したりしていたら、同じ負けでももっと落ちこんでいた。さんざんそれを繰り返してきたので、さすがにそれだけは卒業できたようだ。

そのうちまた赤富士ステークスのようなレースに出逢えるだろうと都合よく考えることにしよう。馬券好きは楽観主義である。

ホップ、ステップ、転倒ばっか.2──武蔵野で転ぶ

 「G1のない週、中休み」ということだったが、土曜のメイン武蔵野ステークスは、楽しみに待っていたG1以上のG1だった。





フェブラリーステークスでカネヒキリ、ヴァーミリアンを破って新王者となったサクセスブロッケン。1番人気。ダービーでも単勝を勝って応援した好きな馬だ。結果は最下位だったがああいう競馬ロマン(ダートで全勝。追加金を払っての出走)はいい。無前提で応援する。東京ダートは2戦2勝。本番はJCダート、ここは餘力を残して走る、という予想もあるが、阪神1800よりは府中1600の方が向いているだろう。勝つ気だと判断する。


前走は盛岡の南部杯で2着に敗れた。王者としてだらしない。だが勝ったのはエスポワールシチー。これまた大好きな馬。いい馬だ。まさにダート路線は群雄割拠。英雄乱舞。今回いなくて残念なのはエスポワールシチーとウォータクティクス。





2番人気はマチカネニホンバレ。ダート5連勝でトップに立った。ダートのスターホースにはこれがあるから楽しい。5連勝目の札幌マリンステークスは日本レコード勝ち。そのあと、しらかばSで惨敗をし味噌をつけたが前走の新潟で開催されたエルムステークスで3歳の俊英トランセンドを破って復権した。東京ダートは4戦4勝。1600は3戦3勝だ。しかも1分35秒台を2回記録している。信頼できる強豪だ。





トランセンドは、新潟ダート1800麒麟山特別をすごいレコードで勝ち、一躍新星出現と話題になった。次いでレパードステークスも同タイムで圧勝。これでダートは4戦4勝。その勝ちっぷりの鮮やかさから私も大物出現と注目した。


エルムステークスではマチカネニホンバレを抑えて1番人気。結果は4着。しかしこれは持ち前のスピードを活かして一気に行ってしまえばいいのに、内田がスローペースに合わせ大事に乗りすぎたから、でもあった。もっとも先々を考えたら一本調子の先行ではなく相手に合わせる乗り方も試してみたかったろう。ミスとばかりも言えない。その内田はG1馬サクセスブロッケンに乗り今回は松岡。松岡は前々走の新設3歳ダート重賞レパードステークスでは、内田の代役(イギリス遠征だっけ?)でトランセンドに騎乗し、しっかりレコードと同タイムで勝っている。このときの乗り方が迷わず先行する戦法だったから、今回トランセンド本命の当方としては松岡への手代わりはマイナスではない。3番人気。





4番人気に大井のジャパンダートダービーを勝ったテスタマッタ。このとき1番人気で負けたのがスーニ。しかし馬主は同じ。吉田勝己夫人の吉田和美さん。吉田一族はこんなところがすごい。そのスーニは火曜日の名古屋でJBCスプリントを勝っている。古豪ヴァーミリアンもJBCクラシックを3連覇してG1最多の8勝。まことにまことにダート路線はおもしろい。今回の鞍上はフランスのスミヨン。うまい騎手だ。





このジャパンDDで私が本命にしたのがシルクメビウスだった。2番人気で2着。シルクメビウス1着固定3連単勝負のハズレだったから、前記テスタマッタは怨みの馬になる。


関東の田中博康騎手が関西の領家厩舎との縁で花開いたのはこれまた好きなドラマ。その前のユニコーンステークスで重賞初制覇。うれし涙が清々しかった。この馬と騎手にはそんな感情も入っている。前走のレパードステークスではトランセンドに次ぐ2番人気で5着、しかも10着降着となったが鞍上は吉田豊。今回は田中にもどっている。シルクメビウスは田中だ。前走の負けから人気も落としている(最終的に7番人気)ので絶好の狙い目。レパードステークスをトランセンドとシルクメビウスの3連単1、2着固定でハズした当方としては重視。





5番人気はワンダーアキュート。レパードステークスではトランセンドの5着と完敗だったが、その後オークランドレーシングクラブトロフィ、シリウスステークスを連勝してきているこれまた期待の3歳馬。東スポ本紙予想の渡辺さんは、サクセスブロッケンやマチカネニホンバレではなくこのワンダーアキュートを本命とし、その根拠を俊英揃いの3歳馬だが古馬との混合重賞シリウスステークスを勝ったのはこの馬だけ。実力一番、としていた。鞍上は連勝した和田竜二に代わってアンカツ。これがこわい。マチカネニホンバレの札幌での日本レコード勝ちも安藤。トランセンドでも連勝している。ダート馬を語るときアンカツは外せない。(今回も結果はそうなる。が、この時点では知る由もない。)





伏兵としてワイルドワンダー。前走は昨年のJCダート。10着大敗、10カ月の休み明け。人気はない。しかし東京ダートとは抜群の相性。4.1.1.1。東京ダート1600は全走複勝圏内。鞍上が嫌いなエビナなので不満だが一昨年エビナでこのレースを2着している。この馬に関する限りエビナも信頼できそうだ。往々にしてこういうコース適者人気薄が絡む。岩田なら3連複の軸にしたいぐらい気になる。





その岩田は3歳牝馬のラヴェリータに乗ってきた。これまたダートは6戦5勝3着1回。ダート適性抜群の馬だ。川崎の関東オークスを勝っている。前走芝にも未練を持ち、秋華賞トライアルのローズステークスに出走したが大敗した。今後はダートに専念するだろう。鞍上岩田と未知の魅力からか6番人気に押されている。オッズを見たとき意外だったのがこの馬の人気だった。今回唯一迷った点になる。気になった。押えるべきか。だが私はこの馬の可能性よりも、伏兵として実績のあるワイルドワンダーを選んだ。ラヴェリータには時計がない。3歳牝馬だから一気に詰めるかも知れないが、すべてに手は出せない。ここは目をつむる。こういう決断で成功したことも失敗したこともある。これは性格だ。かといってもいつもいつも新星よりも実蹟馬を認めるわけでもないのだが、今回はラヴェリータよりもワイルドワンダーを重視した。





同じく好きなネイキッドも今回は消す。東京ダートは1回走り6着だが1分35秒台で走っているから狙い目はある。でも絞らないと。芝からのサイレントプライドも3歳時に走った東京ダートは意外にうまく、なにより好きな馬だから大穴としておもしろいが、ここまで手は伸ばせない。いやはや目移りする魅力ある馬ばかり。G1以上のG1である。








6枠に1、2番人気のサクセスブロッケンとマチカネニホンバレが同居した。大井で枠連をやっていたところなので、「むかしの枠連しかない時代なら、この枠を見てがっかりするところだな」と思う。枠連しかない時代ならこの6枠は無視できない。ゾロ目ですら超低配当だ。穴党には6枠消しという楽しみがあるが、たとえば「サクセスブロッケン消しのマチカネニホンバレ勝負」なんて思っていた人は、(枠連しかない時代なら)この枠を見て愕然としただろう。そんな時代もあった。





枠連しかなかったとするなら、魅力的なのは3枠だ。ワンダーアキュートとワイルドワンダーという穴馬が同居している。どちらかが2着に来そうだ。私なら、3-6は買わねばならないが、3-8を勝負馬券としたい。





『日刊競馬』の柏木さん、本紙の飯田さんはともにマチカネニホンバレ本命だった。アブナイと思う。このふたりの本命重複はよくないのだ。ふたりの本命が分かれ、「どちらかの本命から抜け目の△」が穴馬券の妙味になる。つまり、柏木さんの本命から、柏木さんは無視している飯田さんの△、あるいは飯田さんの本命から飯田さんが無視している柏木さんの△、のように買う。結果、柏木さんも飯田さんもハズしたが、ふたりの予想のいいところを取って当てる、という馬券。この「ふたりの本命が重なったときは来ない」「抜け目で穴」はかなりの馬券戦略なので興味あるかたは試してみるといい。すごいのが当たったりする。


ならおまえはなんでやらないのか、となる。やっていた。戦術のひとつとして。しかし私の場合、「柏木さんの本命から柏木さんが無視している飯田さんの△」で勝負したら、結果は「飯田さんの本命が勝ち、2着が飯田さんが無視した柏木さんの△」だったりすることが多く、あまりの自分の勘の悪さに封印した。





東スポの本紙予想・渡辺さんはワンダーアキュート本命だった。私は一目置いている予想家の予想は、なにを本命にしていたかや▲を何にしたか、はチェックするが、その目をそのまま買うことはない。だが今回の渡辺さんのワンダーアキュート本命はかなり意外だったので注目した。その目も検討した。渡辺さんの3連単馬券は、ワンダーアキュート頭の相手6頭の30点勝負。押えにワンダーアキュート2着固定の10点、計40点勝負だった。一瞬、「たまには誰かの予想に乗ってみるのもいいな」と思った。渡辺さんのこの40点勝負に丸々乗ってみようかと一瞬考えた。


相手6頭の中に△でダイショウジェットが選ばれていた。もしも渡辺さんの予想を詳細に見ていなければ、私は今回の武蔵野ステークス、ダイショウジェットという馬が出ていたことすら記憶になかったろう。渡辺さんの予想を詳細に検討し、ダイショウジェットを選んでいたことが印象的だったから、ゴール前、白帽子が伸びてきたとき「ああ、渡辺さんの選んでいたダイショウジェットだ」とわかった。そしてこの3連単大穴馬券を渡辺さんが取ったと思い、いや3着のエビナワイルドワンダーを消したのではなかったか? とドキドキしつつ東スポを手にした。私は渡辺さんの予想には乗らず自分の予想をしたから、渡辺さんが当たろうが当たるまいが関係ないのだが(笑)、こういうのも競馬の楽しみになる。渡辺さんは2着にダイショウジェットを選びつつも3着ワイルドワンダーを消してハズしていた。もしも私には珍しく予想家の予想に全乗っかりをしていたとしてもハズした馬券だった。





私の馬券はトランセンド本命。本線はトランセンド1着固定の3連単。相手は前記の馬。これを主に、2着固定の3連単を押え。保険にトランセンド1頭軸の3連複を手広く組んだ。その種のことを教えてくれるメールマガジンによると、関東の専門紙では3紙がトランセンド本命であり、専門紙の本誌担当の予想ではいちばん多かったとか。専門紙本紙担当者の虎の威を借りるつもりはないが、センスのいい予想と思えた。トランセンドという馬のダート能力はずば抜けていて、そりゃあサクセスブロッケンやマチカネニホンバレという東京ダートに実績のある古馬がいて、しかもトランセンドは東京ダートは初なのだからだいぶ信頼度は落ちる。3番人気は妥当だろう。いやそれでも期待されすぎか。この予想には自信があった。潜在能力はいちばんと思えた。


サクセスブロッケン、マチカネニホンバレという実蹟馬には負けるかも知れない。それでも3着。いや両馬が最高の状態にあるようには思えない。なら今回は先着するだろう。ワンダーアキュートやテスタマッタ、シルクメビウスの大駆けがあって負けるかも知れない。それでも2着。もしかしたらサクセスブロッケンやマチカネニホンバレが消えて、これら3歳馬同士の絡みになり、3着にワイルドワンダーが突っこんできての大穴……。妄想は脹らむ。どうシミュレーションしても私には「松岡で先行して、能力を出しきったトランセンドが複勝圏を外すことは考えられなかった」のである。相手を絞った3連単がハズれても、手広く行った3連複は絶対に当たると信じていた。そしてその保険の3連複も人気馬2頭が消えたら充分に高配当だった。








結果は言うまでもない。先行して能力を出しきり、勝つにせよ負けるにせよ複勝圏内は絶対確実と思ったトランセンドは不可解な後方からの競馬をした。直線追いこんでの6着。安藤ワンダーアキュート楽楽の逃げ切り。追いこんだダイショウジェット、ワイルドワンダー。3連複10万、3連単68万馬券。トランセンドだけを見ていた私はただの一瞬も盛りあがれない惨めな競馬だった。あまりのショックに熱が出て寝こんだので、この位置取りに関して松岡がどうコメントしたのか未だに知らない。あれはどういうことだったのだろう。大井でこつこつと枠連で増やした時間が水泡に帰した。そもそも2着のダイショウジェットを完全無視していたのだからどうしようもない。なにをどう組み合わせても当たらない馬券だった。しかしそれとこれとは別だ。トランセンドが3着以内ならダイショウジェットを撰べなかった自分を悔いたりする。それ以前の問題。展開が違っていた。わくわくすることすら出来なかった。ホップ、ステップでジャンプできなかった。転倒ともちがう。立ち止まり、だ。ホップ、ステップ、立ち止まり。跳んですらいない。せめて跳びたい。跳んで転倒してもいい。みっともない記録に苦笑してもいい。跳ぶことすら出来ない立ち止まり。








深夜、ガバと起き上がる。寝こんでいるときではない。月曜の時点での少額資金、つまり原点の金額を残していることに気づいたのだ。こんなこともあるかもと、私はプラスになった金額をつっこんでいた。すべてが水泡に帰したわけではない。一週間が無駄になり月曜の時点に戻っただけなのだ。それだけで充分腰の抜けるかなしい出来事だが抜けた腰を入れなおし私は雄々しく立ち上がった。強風の中、いまにも消えそうなロウソクの火ではあれまだ希望が潰えたわけではない。馬券なんて100円あれば逆転は可能なのだ。実際私は、資金3万円を残金100円まで追いこまれたが、枠連15倍を1点で当て、そこから5万円まで増やしたことがある。そのあと5万円全額勝負をして、けっきょく0になるのだが、100円から5万円まで戻したのは事実。





明日はアルゼンチン共和国杯。自信がある。しかし資金はない。あまりにない。残金は小学生の小遣い程度。ならその前に増やす。狙いは10レースの赤富士ステークス。東京ダート2100メートル。私の数少ない得意コース、得意距離のレースだ。これで原点に戻ってしまった資金を増やし、アルゼンチン共和国杯にぶっこむ。このジャンプが決まれば窮状はふっとぶ。今日の負けも笑い話になる。勝負師は最後に笑えばいい。私は緻密に赤富士ステークスの検討を始めた。メインは自信がある。勝負はここで資金を増やせるか否かにかかっていた。

ホップ、ステップ、転倒ばっか.1──大井なる助走

 すくない資金を丁寧に丁寧に増やす。土曜の中央競馬に向けて平日の大井競馬。南関はむずかしい。実力馬、人気馬はそれなりに安定して走ってくれるが単勝がくるう。


中央の場合、1、2番人気が絡み、2着3着の穴に10番人気、のようなパターンが多い。南関の場合はいきなり人気薄が頭に来ることがある。それがここ4走、ずっと後方からの追走で精一杯、二桁着順なのに、いきなり逃げきったりするからタチが悪い。器のちいさいバクチでは大荒れはそんな形になる。



フォーメーションの組み方がむずかしい。南関の3連単はフォーメーションより2頭軸マルチの方が効率がよい。それでもやはり馬券は1着を決めて勝負したい。などとこだわるものだからハズれてばかりいる。


10番人気が1着。2、3着が2、3番人気。2、3番人気を1、2着に固定したフォーメーションで3着候補に10番人気は入っている。でもハズレ。私には10番人気を頭にしたフォーメーションは組めないから、こういうのを当てたいと思ったらマルチしかない。でもそれは「3連複なら的中」ということである。そう、パドックで馬体を見て購入する私は、3連単はへたでも「3連複は巧い」のだ。このささやかな自信が後に繋がる。






今回は日本の競馬の原点に戻り「枠連」勝負をしてみた。枠連には日本競馬だけの「代用」がある。3連単百万馬券も枠連は代用同士で20倍程度だったりする。





大井初日の56万馬券。





でも枠連配当はこれ。






同じく初日の690万馬券。初日は派手に花火があがる。だがそれを読み切り、こんなのを当てるのは至難の業。あたりまえ。だからこその高配当。馬柱を見ていると「ぜったいに買えない馬券」とあらためて確認する。中央の場合はどんな大穴でも「買えたなあ」と思う。思える。去年の秋華賞の1千万馬券なんて典型だ。地方競馬にそれはない。






でも枠連はこんなもの。1000分の1。これを「3連単なら690万なのに、枠だとたった6千円だ。バカらしい」と思うか、「あんなもの当たるはずがない。なのに枠連なら取れる。ありがたい」と思うかの差。すくなくとも南関に関しては「枠連があってよかった」と思うことが多い。






大きくは儲からないが地道に確実に増やす、という点では枠連は意味のある馬券だ。ただし低配当だから高配当馬券に慣れた身にはつまらない。そこが我慢のしどころ。


軸枠を決めての枠連3点勝負。4倍、5倍、8倍の4倍が来たりする。まずは的中。馬連も5倍、3連単も30倍程度だから諦めもつく。これでいいのだ、とひとりごちる。


4枠抽出の枠連ボックス6点。馬券を始めたころはこれが主戦法だった。これはかなりの確率で当たると思う。なにしろ8つしかない枠の4つを選んでいるのだ。なのに当たらない。それが競馬。それでもなんとか2勝1敗ペースで的中して地道に増やす。6点買いで8倍を当ててもなかなか資金は増えない。たまに15倍を当てたりするともうガッツポーズ。





地方には「枠単」というすばらしい馬券がある。大好きだ。軸が固いと思ったときはこれにした。軸から3点、裏を抑えて6点。これは裏が来ると50倍、時には万馬券にもなる。かなりの破壊力だ。


地道にそれを繰り返す。枠単で行きたいがふと不安が過ぎり、我慢して枠連ボックスにしたら人気馬がこけ35倍(枠連にしてはかなりの大穴になる)が的中したりする。ほっとする。欲ばらなくてよかった。


なかなか一点買いが出来ない。3.2倍と4.5倍の二点勝負。一点なら3.2倍の方だ、これ一点にすべきだったか、度胸のない男だ……と悔いつつ見ていると4.5倍で決まる。よかった、一点買いにしなくて。少額とはいえあとのない勝負。これはこれで充分に興奮できる。


順調に増えてきた最終レース。思いきって得意?の3連複勝負。フォーメーション13点。ここで負けたらこれまでの地道な枠連勝負も水泡の泡。ドキドキもの。混戦のゴール。1、3着は買っている。2着はあったよな、と急いで確認する。あった。それが68倍。3連単でも当たっていた。当たるときとはこんなもの。でも枠連で増やしてきたなけなしを3連単勝負には出来なかった。ともあれこれで明日からが楽になった。





そういうことを慎重に数日間繰り返して、月曜の時点での資金を金曜までに5倍に増やした。元金が些少なのでたいした金額ではない。つかれた。へとへとになった。以前そういう暮らしを試みたことがあるので自信を持って言えるが、ギャンブルで食うというのはちっとも楽しくない。必ず心が壊れる。まともな人間のやることではない。


とりあえず私にとってG1である土曜の武蔵野ステークスを勝負できるだけの金額が出来た。

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大好きな筒井作品。こんなダジャレで登場させるとは夢にもおもわなんだ。でもダジャレとはいえ登場させられてしあわせ。

清水成駿、カンパニー本命で天皇賞的中!──変わりゆく戦略

 (承前)。しかしその年、桜花賞は吉田善哉さんのシャダイソフィアだったが、オークスを共同馬主のダイナカールが勝つ。これをきっかけにして、ダイナコスモス、ダイナガリバー、ギャロップダイナとダイナの馬は昭和59年からG1と呼ばれるようになった大レースを勝ちまくり、社台RHは「共同馬主クラブの馬は八大競走を勝てない」という日本競馬の歴史を覆して行く。

清水さんの爆弾発言は見事に裏目に出て、いわば赤っ恥を掻いたような形になったのだが、清水さんが書いたからこそ共同馬主クラブの馬がG1を勝つようになったともいえた。たとえばシャダイソフィアは桜花賞を勝ったあとオークスに行かずにダービーに向かった。そのことによってダイナカールがオークスを勝ったとも言える。つまり共同馬主クラブの馬は大レースを勝てないという清水さんの意見をつぶし、ダイナカールにオークスを勝たせるために桜花賞馬はオークスを回避した、とも言えるのだ。

オークス直前、サンスポがダイナカールにフケ(発情)と書いて物議をかもしたり、ゴール前横一線の激闘といい、思い出深いオークスである。私の本命は"天才少女"ダスゲニーだった。とにかく清水さんの発言の衝撃はおおきかった。



私はその本から清水さんのファンになったのだが、かといって清水さんが編集長をしていた「1馬」を買うこともなく(あの当時は専門紙『レースポ』を使っていたのだったか)ファンといってもだいぶいいかげんだ。ただそういう独自の切り口を持ち、競馬社会内のひとなのに波風が立とうとも激しい意見を言う評論家として清水成駿は興味深い存在になった。レースポを買うとき、いかにも何を買おうか迷っているふりをして「1馬」を手に取り、最上段にある清水さんの予想をチェックしたりもした。



そういうひとと清水さんを解釈してきたから、今回の天皇賞でカンパニーを本命にするとは思えなかった。清水さんは毎日王冠でも本命にして馬単を当てていた。それはわかる。カンパニーはG2専用馬だ。毎日王冠で本番前のウオッカではなくカンパニーを本命にするのはよくある。一転して天皇賞では無印にするのではないかと思った。「G2専用の8歳馬が天皇賞を勝つことに意味はなし」として。

清水さんの語る競馬がおもしろかったのは、「主催する競馬会の立場」という切り口だった。「競馬会にとって、どういうレースになり、どういう馬が、どういう騎手が、調教師が、馬主が、勝つことが望ましいか!?」という読み。これは新鮮だった。

たしかにそのころまで、たとえばシンザン以来の三冠馬が超名門の千明家から出たように、競馬には格式があったように思う。しかしその後、新参馬主がダービーを勝ったりして、この「清水式読み」にあまり意味はなくなった。



なのに私はその清水式を未だに引きずっていた。発案者の清水さんはさっさとそんなものからは卒業しているというのに。

かつての清水理論なら、「伝統と格式の天皇賞に、マイナー血統であり、典型的トライアルホースの、しかも8歳という高齢のカンパニーは用無し。毎日王冠では本命にしておいしい思いをしたが、ここは自信を持っての無印」になるはずなのである。私はそう読んだ。

ところが清水さんはかつてのそういう理論を捨て去り、馬場を読み、枠順の功利を考え、能力と体調から8歳馬カンパニーを本命にしたのである。そして的中した。

見事である。そして未だに「競走馬が一番強くなるのは5歳(今は4歳)秋」という黴の生えた思い込みから逃れられない自分を惨めに思う。馬は個体差であり、また世代差もある。年齢にこだわるのは無意味だ。そうは思うのだが……。

餘談ながら、下記にある投稿をした梶山徹夫さんのブログで、梶山さんも私と同じ感覚で4歳馬にこだわっていた。梶山さんと清水さんはたしか同い年だった。清水さんも「5歳秋最強説」で競馬を覚えたひとだ。でも時代に応じてその呪縛から脱している。

それらを思うほどに、8歳馬を本命にした清水さんの姿勢が光る。この馬券を当てた予想家は数々いようが、私が特に清水さんが印象的というのはそういう理由による。

天皇賞敗戦記──Sへ

 きょうはありがとう。君のお蔭で天皇賞を楽しめた。シンゲン1頭軸の3連単馬券はハズレてしまった。残念だ。穴を狙うなら軸をウオッカではない馬にするしかない。前々から考えていたのが東京巧者のシンゲンだった。

プラス要素として、馬主が1番人気で菊花賞を負けたリーチザクラウンの臼田さんであること。騎手が秋華賞で「不利がなければ突きぬけていた」と不満を漏らしていたブロードストリートの藤田であることがあった。スペシャルウィーク以来の臼田さんのG1勝ちに期待した。

マイナス要素も多い。G1未経験の6歳馬であること。むかしでいうと7歳馬でありぼくの感覚だと老齢になる。「競走馬が一番強くなるのは5歳(今の4歳)秋」と教えられてきた身には経歴的にも年齢的にも不安だ。まだ15戦だけで使い減りしていない、新潟大賞典の脚があれば勝てる、と言いきかせて本命にした。べつに勝たなくてもいいのだ。3着以内に来てくれれば。これなら荷も重くないだろう。勝つのは4歳馬がふさわしい。シンゲンは3連単の軸を確保してくれればいい。



ところが君に「シンゲン1頭軸の3連単で勝負の予定」とメールしたあと、とんでもなくおおきなマイナス要素が加わった。ぼくが「逆神」としているふたりが揃って「シンゲン1頭軸の3連単」を打ち出してきたのだ。目の前真っ暗である。このふたりの逆神がいかに強烈かはよくしっている。なんとついてないんだと頭を抱える気分だった。正直この時点で勝てる気がしなくなった。シンゲンが馬券からハズレる悪夢を何度も見た。今も、結果としてのハズレはともかく、レース前にこの逆神ふたりの予想は見なければよかったと悔いている。テンションがまったくちがった。

すぐにでも予想変更を申し出たかった。変更するなら「ウオッカ1頭軸の3連単」しかない。その他の馬は思いうかばない。しかしそれではあまりに平凡だし、いつもはフォーメーション30点買いなのに、今回は爆笑問題の田中みたいに「1頭軸の3連単。相手6頭30点のマルチ90点勝負」で大穴を狙うのだから大本命ウオッカ軸ではトリガミも出る。当たってもほとんど儲からずの目も多い。もうこのままシンゲンで行くしかなかった。



シンゲンは馬券対象の3頭から大きく離された5着、しかもゴール前でオウケンブルースリにも交されての敗戦だった。「G1経験のない6歳馬」の限界。完敗の予想だ。それ以上にどうしようもないのが「老齢馬の軽視」だった。6歳馬を軸にすることですらびびっていたのに、絶対に優勝はないと思っていた8歳馬に勝たれ、必ず絡むはずと読んだ4歳馬がどれも来なかった。笑ってしまうほどカスリもしないハズレだ。

ぼくが懸命に考えたのはシンゲンを軸にしての相手4歳馬の選択だった。クラシックホースのキャプテントゥーレとオウケンブルースリは有資格者として、ヤマニンキングリーとスマイルジャックにも買い目はないかと過去のレースを調べた。二者択一で迷った末、G2札幌記念勝ちのヤマニンをダービー2着のスマイルより優先した。これが絡めば30万50万馬券になる。あのレースでいちばんぼくが心配していたのは「ヤマニンではなくスマイルが来たらどうしよう」だった。ほんとにもうどうしようもない。



君が引き篭もっているぼくを励まそうと、「資金は僕が出しますから予想をお願いします」と言ってくれなかったら、こんなに真剣に天皇賞を考えることはなかった。君が買ってくれる馬券だから、たとえトリガミでもとにかく当てたいと相手にカンパニーを入れたけど、自分だけの馬券なら「トライアルまでの馬。本番ではまたよくても4着か5着」と真っ先に消していた。なにがどうなろうと当たるはずのない天皇賞だった。

それでもこういう形で君と楽しめたことがうれしい。君の心遣いに感謝する。いつの日か笑い話に出来ることを願っている。ありがとう。

清水成駿、カンパニー本命で天皇賞的中!──「マジで競馬と戦う本」

 すごいなあと思う。カンパニー本命で相手6頭。その中に△のスクリーンヒーローもいた。馬単6点で292倍を的中である。



天皇賞を的中させた競馬評論家は多々いるだろうけど、清水さんの的中を格別に思うのにはわけがある。



JRAサイトにあったゴール写真。こうしてみると着差以上に楽勝だ。他馬が見えない。



と書いて早速脱線だが「わけがある」は「訳がある」と一般に書く。「訳」は「翻訳」等に使用されるように「訳す」が本義である。ならなぜ「わけ」に当てられるようになったかというと、と聞きかじった浅学を披露するつもりもないので本題に戻るが、「わけがある」のような場合に「訳」という漢字はあまり使わない方がいい。いやたんなる好みですけどね。私は使わないようにしています。



私が競馬評論家清水成駿のファンになったのは、昭和58年に出た「マジで競馬と戦う本」を読んでからだった。(たびたびの引っ越しで馬券本はみな捨ててしまったので手元にない。ネット検索すると、今でもこの本のことは載っているのだが、どこもNoImageだった。馬券本もなあ、捨てなきゃよかったなあ……。タカモト本なんてぜんぶもっていた。)

そこで清水さんは、それまでもずっと日本一の牧場だったけれど、さらに種牡馬ノーザンテーストと共同馬主クラブの成功で独走態勢に入りつつあった社台ファームに対して厳しいことを書いていた。

「大レースを勝つのは個人馬主のシャダイの馬。共同馬主クラブの馬は大レースは勝てない」と書いたのである。馬券指南書だから、「大レースではダイナの馬は買うな」と言ったに等しい。

実際それまで八大競走を制していたのはアンバーシャダイ、シャダイアイバーと吉田善哉さんの冠号「シャダイ」の馬であり、共同馬主の「ダイナ」は大レースを勝っていなかった。

ダイナの前にもシチーやターフの共同馬主はあった。ヌアージターフのようにそこそこ活躍した馬もいた。そこそこの活躍はしても八大競走とは無縁だった。ダイナなんとかの馬がやたら増えてきたが、これらも大レースとは無縁だと清水さんは言いきったのである。その理由は、ほんとうによい馬は個人馬主に売り、共同馬主にするのは、それよりも落ちる馬、ということだった。

清水さんの意見は決してとんでもないものではなかった。長年競馬をやっていれば誰もがうすうす思っていることだった。だが競馬界は閉鎖的で持ちつ持たれつの内輪世界だ。波風は立てない。競馬に関わって食っている競馬評論家がそんなことは言うのは前代未聞だった。私はそれを堂々と著書の中に書いた清水成駿という評論家をかっこいいと思った。

取らぬ狸のスワンステークス

 買わなかったレース、買えなかったレースの結果を知って悔しがるのはよくある話。馬券下手の私の場合は、かすりもしない結果を見て「買わなくてよかった」の方が圧倒的。

今日はひさしぶりにそういう私には珍しい「しまった、買うべきだった」のレースがあった。スワンステークス。

人気が散っている。私の狙い馬に人気がない。天皇賞前の運試しに3連複を買いたいと思った。ぎりぎりまで考えて諦めた。ここでハズレると明日への志気が落ちる。天皇賞一本に絞ろうと。

キンシャサノキセキ、アーリーロブスト、マルカフェニックスで決まる。



私はキンシャサノキセキ1頭軸、相手6頭の3連複15点を買おうと思っていた。その中には人気薄だけれどクラシックでも応援してきた大好きなアーリーロブストも、そこそこ人気のマルカフェニックスも入っていた。いやいや相手5頭の10点にしても、相手4頭の6点にまで絞っても当たっていたのである。まあ私の場合、ハズレるのがいやなので15点ぐらい買ってしまう。6点まで絞ることはないのだが。まさかこれで3連複が15万とは。信じがたい。



3連単の88万もその気になれば当たっていた。なんだ、「その気になれば」って(笑)。この3連単を当てるには30点買いのフォーメーションになる。3連単30点と3連複15点、天皇賞前日の関西のレースにそこまで本気になることもあるまいと見送った。3連複だけでも参加すべきだった。買わなきゃハズレることはないが儲かることもないのだ。逃がした魚は大きい。
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