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SPAT4に入会──競馬記者気分

記者予想がついていない詳細な馬柱のみ、というのは初めての経験である。
JRAでそれが出来るのは知っていた。でもやっていない。使いなれた新聞があり、なじみの記者の予想を見るのも楽しみだから、これはこれでいい。

馬柱に私流の精緻な(?)チェックを蛍光ペンでしてゆく。すると持ちタイムや展開や人気裏切りなどいくつものファクターが浮かんでくる。印を打つ。
最終決断はパドックを見てするが、机上の検討でも一応の結論は出さねばならない。

この初体験がけっこうおもしろかった。私は競馬記者ではないから印を打ったことはない。週刊誌で何年かやっていたことはあるが、それは中央の毎週のメインだった。どれが人気になるかぐらいはあらかじめわかっている。
今回は大井の下級条件戦である。人気の傾向などまったくわからない。どれに本命を打つかは私次第だ。馬柱からどこまで強さを読み切れるか。これはけっこう楽しかった。自分の印と現場での人気を比べる楽しみだ。

実際は、私がこれで間違いないと◎を打った馬が断然人気になることが多かったが、中には、前走大敗していて、持ち時計もないのに、現場ではかなり売れている、というような馬もいた。こういうのはいわゆる「メジャー路線を歩んできている馬」なのである。大敗続きだが能力は非凡とグレードレースに強気の挑戦をしてきた。結果は出ていないが、平場のここならモノが違うという期待である。

そして南関では、これは通い詰めていたころからの難題だったが、「中央下り」というのがある。中央で惨敗続き。それが地方に降りてくる。初ダート。これの取捨がむずかしい。それこそ中央入りしたエリートが地方に降りてくるのだ。絶対能力、期待度が違う。ものの違いで楽勝することも多いが、人気での惨敗もあった。私はいつもそれが読み切れず、?マークを打っていた。今回もわからない。

結果として、私の本命対抗のあいだに無印の地方初競馬の元中央馬が割り込んできて外れるというのが多かった。
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SPAT4に入会-地方競馬専門紙のこと

しかし専門紙の心配は不要だった。南関のサイトから詳細な馬柱がDownloadできるのである。
レース毎にプリントアウトしたら専門紙以上のものが出来上がった。
なんと便利な時代なのだろう。

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三十数年前、初めて大井競馬に行き、専門紙を買い、しばらくしてから気づいた戸惑いはいまも覚えている。
自分のもっている新聞の印と実際の馬券人気が一致しないのだ。他人の新聞を覗いて、印が新聞によっても違っていることを知る。

競馬といえば中央しか知らず、有力馬にはどこの本紙担当も本命を打ち、印通りにそれが人気になるという競馬をしてきた身には、自分のもっている新聞の本命対抗が20倍もつき、△同士で5倍というのがわからない。しかし他人の新聞を覗くと、それはしっかり本命対抗だったりする。そのレースは他者の新聞の本命対抗で決まる。私は自分の買った新聞を呪う。だめだこりゃと。だが次のレースでは逆になる。私のもっている新聞の本命対抗が人気をかぶっている。他者のを覗くと△がパラパラだ。

要するに器がちいさいから流動的なのである。細かなクラス分けにより実力が拮抗していることもあろう。
通い続けて学んだことは、これはもう圧倒的に新聞情報よりも現場のほうが確かということだった。つまり、どの新聞でも△程度の馬がなぜか単勝元返しぐらいの人気になると、見事に勝つのである。べつにそれを厩舎情報とかなんとか言うつもりはないが、とにかく新聞の印よりも現実の人気のほうが重要だと学んだ。
という昔話。

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馬柱という情報は欲しい。が、記者の予想はいらない。最も熱心に馬券をやっていた昭和五十年代後半、私は専門紙の馬柱をレース毎にコピーし、大学ノートに貼り付けて検討した。そのとき雑念が入るからと、記者の予想欄はホワイトで塗りつぶした。
そういう私に、最初から予想の印が着いていないDownloadする馬柱は最高だった。

SPAT4に入会-専門紙が買えない

私は雰囲気で馬券は買わない。私なりに──それが当たるかどうかはともかく──精緻に検討してから買う。そのために詳細な馬柱が必要だった。
『日刊競馬地方版』は500円。やるからには手にしたい。品川に住んでいたころは大井競馬はもちろん川崎、船橋、浦和の開催分も近くの駅売店で手に入った。当時は今のような在宅投票システムはない。競馬場まで出かけるのだから現場で手にはいるのだが前日検討もしたい。それが楽しい。蛍光ペンで色分けする前日作業と予想こそが競馬である。品川はそんなことに不自由しないいい地域だった。

毎開催大井へは自転車で通った。行きは下り坂。がっぽり儲かると胸算用してペダルが軽い。帰りは上り坂。オケラになってペダルが重かった。この上り坂下り坂は内心のたとえじゃなく本当にそうだった。オケラになっての帰路、あの上り坂は今も思い出す。自転車より時間がかかるがバスにしたのはあれのせいだったか。
浦和と船橋が遠かった。川崎はまあまあ。毎日毎日一日も休まず、よくぞまあ通ったものだ。

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東京大賞典の馬柱はスポーツ紙でわかる。假にわからないとしてもこれぐらいのレースなら各馬の戦歴は頭に入っているからなんとかなる。その他のレースがわからない。せっかくSPAT4に入会するのだから、その他もいくつかやりたい。

JR売店で南関東の専門紙は売っているのか。私は、かつて公営競馬に日参しているころからの知り合いである馬券生活者の梶山さんに電話して問うてみた。私は三十年以上に及ぶ東京暮らしのすべてが目黒品川なので中央線沿線に疎い。こちらに超してきて三年近く経つがいまだになにも知らない。対して梶山さんは若い頃からこっちのほうに住んでいる。
やはりというか当然のごとく、新宿より西の駅では南関東競馬の新聞は売ってないようだった。梶山さんもいつも新宿で買っているという。それも限られたキオスクらしい。実際たいして数の捌けない商品だからしかたない。たいして数は捌けないが必要とする人にはどうしても欲しいもの→質素な作りでも高額、になる。

専門紙が手に入らないとわかり、私のSPAT4への情熱はだいぶ目減りした。
『日刊競馬』のサイトを調べ、バイク便が900円で届けてくれるサーヴィスがあると知る。500円プラス送料400円。電車で新宿まで買いに行ってもそんな値段になる。
「そこまでしてやるか?」と考える。すぐに「だったら土日の中央競馬だけでいいや」となってしまう。

SPAT4に入会

昨年暮れの東京大賞典をやるためにSPAT4に入会した。
南関東四場専用のインターネット投票システムである。
その他の地方競馬も重賞は投票できるようだ。そこまでする気はないが。

友人のSが何年も前からやっているのは知っていた。彼の場合はSPAT4ではなく、全国の地方競馬に投票できるシステムのようだ。

Sが先鋭的にそれを始めたのは、長年過ごした名古屋を離れ、地元の神戸に戻ったからだろう。笠松競馬をやる必然性である。

私の場合、その気になればいつでも南関東四場に行けるという思いから縁遠かった。それにパドックが見られない、馬柱はどうするのだ、という問題がある。

ところが今の時代、すべてそれは解決されていたのだった。
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